無人島 野崎島 小値賀町
旅こそ一人旅。行くなら無人島。
この号は小値賀島のとなりの島:野崎島の特集です。
小値賀/おぢか
小値賀島となりの野崎島シリーズ
20160101現在
野崎島の位置
野崎島(読み:のざきじま)は長崎県北松浦郡小値賀町にある無人島です。小値賀本島の右となりで上五島町の中通島の上、佐世保市の宇久島の下に位置しています。
■ 野崎島になにがあるのか 1
当たり前ですが人が住んでいない島が無人島です。無人島ですが戸籍上一人住んでいるため、ただしくは無人島ではありません。"ほぼ無人島”である理由はそういうことからです。
野崎島には人間以外には野生の鹿、いのししなどがいます。人間は1人ですが鹿は450頭、いのししは"たくさん”となっています(*1)。
*1 小値賀町の人からの聞き取り
【 野崎島はこんなところ 】
■ 野崎島になにがあるのか 2
人が住んでいない島が無人島ですが、定期船が出ています。
無人島に定期船?
野崎島に渡るには、1日2往復の町営船「第3はまゆう」に乗船します。同船は小値賀本島のターミナルから少し外れた笛吹から出ています。うらさびれた波止場でも雨風はしっかりしのげる待合所があります。
笛吹から途中、六島に寄り野崎島へ向かいます。野崎島へ到着すると5分後には笛吹に向かって出発します。
● 野崎島行き 第3はまゆうのダイヤ
笛吹 | 六島経由 | 野崎 | 笛吹 | |
①便 | 7:25発 | → | 8:00着 8:05発 | 8:25着 |
②便 | 14:30発 | → | 15:05着 15:10発 | 15:30着 |
野崎島の上陸には日帰り、宿泊ともに食料持参になります。
無人島、上陸、食料持参とはサバイバル感あふれますが、無人島ゆえに売店や食堂はなく、食料は持参しなければ調達の手段がありません。なお、トイレも島内には3ヶ所しかありません。
野崎島は長崎県であって日本国内ですが、あくまでも無人島への上陸ということを忘れてはいけません。
【 第3はまゆう 笛吹側にて 】
■ 野崎島になにがあるのか 3
途中、立ち寄る六島には通学児童もいます。旅行気分のアウトサイダーには、第3はまゆうは不便なダイヤです。
六島のコドモにとって町営船は通学便であり、島民のための定期船です。
スケジュール上、宿泊がともなうため上陸を断念せざるを得ない場合は、少しでも離島の気分を味わうために第3はまゆうでのクルーズ(単に下船しないだけのこと)がよろしいかと思います。
なお、1時間のクルーズで950円です。
豪華客船にはほど遠い町営船ですが、エンジン音はうるさく、クーラーの故障で船内が夏はサウナ状態、冬は寒風が吹きすさぶ極寒状態でもアウトサイダーには貴重な体験となります。
それでもアウトサイダーには一時のことです。定期船として利用している島民には毎日のことです。
【 チケット 】
■ 野崎島になにがあるのか 4
滞在時間は最短で7時間、最長で好きなだけ(ただし食料が続くまで)の無人島に年間2,000人ほど訪れています。
野崎島へ渡るには
- ①小値賀本島に前泊して朝早い定期船で野崎島に渡る
→ 夕方もしくは翌日の便で帰る
- ②昼に小値賀本島に到着するフェリーで来て野崎島に渡る
→ 当日はそのまま宿泊、翌日小値賀本島へ帰る
かになります。さらに小値賀も本土から遠 い離島だけに小値賀から次の移動を考えると、スケジュール次第では小値賀本島での宿 泊が必要となります。
【 海 】
■ 野崎島になにがあるのか 5
無人島への定期航路というのはややおかしな話です。人が住んでいない無人島に定期船を出す意味はありません。
ただ、野崎島は完全な無人島ではなく、戸籍上一人が住んでいる"ほぼ無人島”です。繰り返してしつこいようですが
"ほぼ無人島”
です。定期船を出す理由(出せる理由とも)は、同島は小値賀の観光コンテンツであり、同島へアクセスのためです。島には簡易宿泊施設:野崎島自然学塾村があり、施設のために電気や水道などのインフラも整備されています。
完全な無人島であれば、電気や水道などのインフラも不要であり定期船も必要なかったことでしょう。
定期船の運航やインフラ整備はその住民一人のためになされたのではなく、野崎島を観光コンテンツとして利用できるようにするためであり、住民票を当地に移したのです。
【 島内の電柱 】
■ 野崎島になにがあるのか 6
野崎島は元から無人島ではありませんでした。1971年に集団移住するまでは半農半漁の生活をするなどして野崎島には、人が住んでいました。
小学校もあり、開校当時は小値賀町の分校でしたが島民の人口増加にともない本校に格上げされるも、その後人口減少によって分校に格下げされ、結局は廃校となりました。その廃校が現在、簡易宿泊所です。
【 野崎島自然学塾村建物の入り口 】
■ 野崎島になにがあるのか 7
船着場は野崎島の上陸の第一歩です。いまは無人島でも人が生活していた面影を感じます。船着場周辺の石垣の積まれた無人の家屋は、雨風にさらされ半壊したままです。
神社もありますが神社の本殿はほぼ全壊しています。ゴーストタウンをリアルに体験できます。なお、引き返すかしないかの判断には5分もありません。
【 野崎島側にて 】
■ 野崎島になにがあるのか 8
無人島といえどもサバイバル生活を強いるわけにはいきません。当地でのサバイバル体験の限界は、キャンプなどのアウトドア生活まででしょう。
そういったコンテンツを提供する拠点が野崎島自然学塾村であり、廃校となった小学校を利用した簡易宿泊施設です。
エコツーリズムを推進するおぢかアイランドツーリズムは、野崎島に多くのアウト サイダーを受け入れています。
観光コンテンツといえども、自然環境を破壊する開発はできません。
同島は西海国立公園内であり、文化財保護法による「小値賀諸島の文化的景観」に指定されています。島のありのままが観光コンテンツです。
【 キャンプ場 】
野崎島シリーズ 1 終了
注意 情報は2016年1月1日現在のものです。
現地の状況は刻々と変化しています。
現地に行って確認することをおすすめします。
リサーチ : 風戸ケイキ/ワリアイト・リョウ
プレス : タシロ
制作委員会作品
Not Rated
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