養殖トラフグ タンカー輸出 実質単年度収支 雇用対策助成金 ジャパネットコミュニケーションズ ハウテンボス再生支援交付金 エレナ 佐世保商工会議所 【 マチとの遭遇#佐世保編 その13 】
佐世保/させぼ
20150401現在
【 矢印のあたりが佐世保 】©グーグル
■ 日本一 # 養殖トラフグの生産量
フグといえば下関ですが、養殖トラフグの生産がもっとも多い町は佐世保です。
フグ=養殖
お値段の問題もあって、なかなか天然のフグにはお目にかかれませんが、多くの人が食しているフグは養殖です。
当地では昔から養殖は盛んでしたが、市町村合併する前は、生産量日本一は佐世保ではなく、となり町の松浦市であり佐世保は2番手でした。
日本一の座はフグの養殖の盛んな旧鹿町町を編入することで達成しました。
とはいってもそのブランド力は他県の下関です。地元で生産しても、フグ事業者は下関で水揚げし、地元の市場はスルーされています。
地元ではフグの除毒のための身欠き工場が足りず、加工場、身欠きの技術者も不足することも下関へ流れる状況ともなっています。
フグ食の文化がないこともブランド力のなさの一因と考えており、地元では給食にフグを出しています。
給食にフグとはリッチな小中学生ですが、予算と供給量の都合から佐世保全市ではなく、フグの養殖がさかんだった旧鹿町町のみにとどめています。
さらに地元9者の事業者は連携して「九十九島トラフグ」として、地元のフグのブランド化に取組んでいます。フグの魅力の一つは透明感です。
フグの透明感を出す研究開発のなかで、ミカンにその効果があることをみつけました。
佐世保の針尾地区はミカンの産地でもあります。フグのエサにするミカンは、規格外のミカンや間引きするミカンですので"廃棄物”の有効利用となり、山の産品ミカンと海の産品フグの六次産業化のいい組み合わせにもなり、地元では九十九島トラフグにただならぬ期待が寄せられています。
*1 佐世保市役所農水商工部水産課:資料より
■ 0隻 # 佐世保税関からのタンカー輸出隻数
出ていくのは若者だけではありません。佐世保には税関があり、ブツも佐世保から出ていきます。
多くの物品は船に乗せられて出ていきますが、造船の町だけに佐世保からは船そのものが輸出品目であり、船そのものが出ていきます。
佐世保税関支署の2013年の輸出貿易総額は1,661億2,490万円のうち98.0%が船舶類です(*1)。この年だけでなく、同税関支署では輸出貿易総額のうち9割以上が船舶類となっています。
船舶の輸出金額では、このところ佐世保は存在感を高めています。同じ造船の町である尾道、今治の瀬戸内海勢は、ここ数年、船舶の輸出金額の上位1,2位を占め、佐世保は3位でした。
しかし2013年には尾道に輸出金額で6.3億円の差をつけ2位となります。ただ、船舶の輸出金額の6.3億円差はあってないようなものですので、次年度の結果が待たれます。
輸出品目となる船舶なかでも佐世保の場合は、タンカーです。2009年には6隻、金額にして380億円が佐世保の税関から送り出しました。しかし
- 2010年 2隻
- 2011年 3隻
- 2012年 1隻
- 2013年 0隻
- 2014年 0隻
と年が下るにしたがって減っていき、最後は0です。どうもその後がよろしくありません。
この間、タンカーの輸出がないだけで貨物船は輸出されていますが、世界最大のタンカーが同地で建造された歴史もあっただけにタンカーの輸出実績0隻というのはさみしいかぎりです。
*1 佐世保税関支署2013年
■ 黒字だったり赤字だったり # 単年度収支/実質単年度収支
単年度収支が赤字でも剰余金を取り崩せば、なんとか黒字にできます。単年度の収支が黒字となれれば財政は"良し”とする考えです。
その取り崩しにも限界があります。3年連続となると"取り崩しすぎて”危機的状況となりますが、佐世保市の実質単年度収支は平成24、25年度とギリギリセーフで、2期連続赤字となんともいえない状況です。
積み立てを取り崩していけば大丈夫と思ったのか、ここ数年の取り崩し額は以下のとおりです。
- 2008年度 13.9億円
- 2009年度 27.0億円
- 2010年度 10.3億円
- 2011年度 15.0億円
- 2012年度 56.0億円
- 2013年度 18.8億円
気前よく、毎年10億円以上積立金を取り崩していますが、いったいどれだけ積み立てているのか気になります。
ちなみに平成25年度末のその残高は210億4,827万4,000円です。毎年10億円ずつ取り崩したとしてもあと21年は取り崩せます。
*1 佐世保市 各年度決算状況より
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