人口ランキング88番目 佐世保カキ 山下医科器械 アリアケジャパン プレナス のり弁 長崎国際大学 【マチとの遭遇#佐世保編 その10 】
佐世保/させぼ
20150401現在
【 矢印のあたりが佐世保 】©グーグル
■ 88番目 # 佐世保市の順位(人口)
人に格があるように町にも格があります。佐世保市は人口の多さでは、全国1,728市町村のうち88番目になります(*1)。
さらに
九州・沖縄(全274市町村)では10番目
長崎県内 (全21市町)では2番目
となります。佐世保市は市の"格”では
特例市
です。
佐世保市は2015年に特例市の廃止により中核市へと統合されます。
市の格は地方自治法によって規定されており、法律改正によって①政令指定都市と②中核市の2つになり、特例市である佐世保市の中核市への格上げは"自動昇格”のようですが、"なんでもない市”への転落もあったのです。
中核市になると、自治権は拡大し地方交付税も増えるなど特典もあります。
2015年の改正では中核市は人口30万人以上から20万人以上に引き下げられ、佐世保市はこれにあてはまります。
人口基準を満たせば即、中核市ではなく、中核市には中核市の要件を求められています。
騒音、悪臭などの規制基準の設定、保健所の設置、学校の先生の研修など、もっと細かくしなければならないこと、決めなければならないことがあります。
佐世保市も条件をクリアして"本格”中核市となるよう、町の競争力向上をはかっています。
■ 478トン # 佐世保のかきの生産量
独特な地形は地元に貴重な資源をもたらします。佐世保では20年前からカキの養殖をはじめていました。同地のカキの美味さは、ハウステンボスの総料理長も認め、メニューには産地を書き添えて出されるほどです(*1)。
しかし、カキといえば広島産が幅をきかせています。同県産のカキの生産量は国内ダントツで、佐世保の生産量は足元におよびません。
日本のカキの生産量
- 1位 広島県 107,383トン
- 2位 岡山県 17,724トン
- 3位 宮城県 13,321トン
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- 12位 長崎県 1,048トン
長崎県のなかでも佐世保市の生産量は478トン、県内では45.6%のシェアですが国内では0.6%と弱小産地もいいところです(*2)。それでも弱小産地は弱小産地なりに戦い方をこころえており、一部を首都圏のオイスターバーで流通させ、残りはこのあたり一帯で流通させています。広く流通していない佐世保のカキですが、
「小ぶりで濃い」
と評判です。
その理由は、同地はリアス式の好漁場であり、海と山が近い地形のため、山から海にダイレクトに流れる養分が、カキのエサである良質のプランクトンになるとのことです。
【 養殖 】
カキには2種類あり、冬が旬のマガキ、夏が旬のイワガキがあり、佐世保ではその双方生産されています。旬の時期が異なる双方のカキを生産できるようになったのは、地元佐世保市役所の水産担当の職員の努力です。
市役所に水産の技術者が7名。
こういった人事が可能なのも佐世保市のある長崎県が水産県であることも理由の一つです。
マガキのタネは宮城県産のものを購入していますが、イワガキのタネは市の水産センターで開発したものです。佐世保のイワガキはタネも育ちも佐世保産です。
毎年、パールシーリゾートで開催される「九十九島かき食うカキ祭り」は会場までたどり着けないぐらいに人が集まります。そのため地元関係者は、アウトサイダーにはあまりおすすめできないイベントとなり、少々残念な気分です。
*1 日本経済新聞20130717
*2 長崎県:農林統計(平成23年)
■ 2,061億円 # 佐世保創業企業3社の株式時価総額合計(2015年2月12日)
ある程度の町になると、上場企業があったります。佐世保もその例外ではなく、存在していました。ただし「存在していました」と過去形になります。
企業名 | 証券コード | 創業年 |
山下医科器械 | 東証1部3022 | 1926年 |
アリアケジャパン | 東証1部2815 | 1966年 |
プレナス | 東証1部9945 | 1976年 |
* プレナスの創業は別会社として
上記3社は佐世保の地で創業し、創業当初は同地に本社を置き、自社の成長とともに本社をより規模の大きい町に移しました。九州のビジネスマンは地元である程度成長すると、九州最大のビジネス都市福岡を目指します。
企業名 | ビジネス |
山下医科器械 | 医療機器の販売 |
アリアケジャパン | 調味料の製造・販売 |
プレナス | 持ち帰り弁当「ほっともっと」の運営 |
山下医科器械は登記上の本店は佐世保にとどめ、創業の地を佐世保支社としています。アリアケジャパンは、本社は東京に移りましたが工場は創業の地に残し、国内工場は同地のみにとどめています。プレナスは、創業の事務所は佐世保事務所として営業をつづけています。なお、山下医科器械とプレナスの本社は福岡市にあります。
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