マチとの遭遇 九州編

地域ケーザイをおもしろく

【最新報】木下斉さんも言っている。地元が陥る地域ブランド化に失敗する3つの罠。

2021年10月09日 14:20 by keiki-kazeto

地域ブランド。世界3位の経済先進国であるわが国日本。そういったこともあってかブランド品が大好きになりました。 ブランドは街中だけのファッショナブルなアイテムではありません。地元ならではの農産品や郷土料理もいつしか地域ブランドといわれるようにブランド品の仲間になりました。本webマガジンはそういった地域ブランドおよび地域ブランド化について解説いたします。

地域ブランド
読み:ちいきぶらんど
意味:不明

本webマガジンは特定の組織や団体あるいは個人から依頼のあったものではありません。

製作
ローカライズド(LCD)
2021

【ご注意】
ローカライズド(LCD)としては、地域ブランド化は「難しいですよ」というスタンスです。一見するとネガティブですが、見聞きしたことをお伝えしていますので参考にはなるかと思います

■ 罠@ローカル

 地域ブランド化。はっきりいってマチの経済的、社会的、文化的その他いろいろにプラスの効果のない取組みです。

 さえない地元を今以上にさえなくする取組みといえます。それに取組むマチがなんと多いことか。残念に思います。

■ 罠@ローカル

 地域ブランド化はダメとはっきりおっしゃっている方がいます。その人は

木下斉さん

 です。 東洋経済ONLINE上では「地域ブランド化」が失敗に終わる3つの理由として以下を述べています。

① ブランド化に適さない凡庸な「地域」と「商材」
② コンサル頼みでは「汎用品・地域ブランド」しか生まれない
③ 資源不足なのに難易度の高い方法に取り組む非合理

 地域ブランド化の実情を端的にわかりやすく説明してあると思えます。

このあたりでイヤな気分になった方は、これ以上、本webマガジンを読むのをやめられたほうがよろしいかと思います。

木下斉@ウイキペディア
東洋経済ONLINEの記事はココ

■ 罠@ローカル

 木下さんによると、地域ブランド化は失敗に終わると言い切っていることから 成功はない ということでしょう。

 実際、地域ブランド化に成功したマチとそのマチの産品というのはさほど見当たりません。

 ただし「まったくない」というわけではありません。

■ 罠@ローカル

 地域ブランド化には3つ良い点があります。

  1. 結果がみえない
  2. 成功事例がない(少ない)
  3. 定義がない  

この3点が地元をダメにする地域ブランド化のもっともな理由でもあります。

地域ブランド調査2020
市町村の魅力度ランキング

  1. 京都市
  2. 函館市
  3. 札幌市
  4. 横浜市
  5. 小樽市
  6. 神戸市
  7. 鎌倉市
  8. 金沢市
  9. 富良野市
  10. 仙台市  

 上記のランキングは(株)ブランド総合研究所によるもので、その上位10市町村です。

 国内すべての市町村が調査対象ではないものの下位にランクされた市町村は、ありがたくないことでしょう。 

■ 罠@ローカル

 地域ブランド調査での20位までのマチはどこにあるかは知らなくても、知らないほうが恥ずかしい思いをするメジャーなマチです。

閑話休題

① ブランド化に適さない凡庸な「地域」と「商材」
木下斉さん

■ 罠@ローカル

 メジャーなマチが地域ブランド化に取り組むのはかんたんなことといえます。  

たとえば京都の産品や食材に

京都○○
あるいは
○○きょうと  

 とするだけでヨソのマチより有利に販売できそうです。

■ 罠@ローカル

 知られてないマチが同じようなことをしても販売には期待できそうもありません。  

佐伯○○
あるいは
○○さいき  

 佐伯とは大分県の市町村です。

佐伯はココに

 

■ 罠@ローカル

 東北の人が「さいき」と耳にしてもわからないでしょう。人名あるいは社名と思われるかもしれません。

 知られてないマチの地名を付けられても残念ながら買われないでしょう。

カマンベールチーズ
camembert @ウイキペディア

■ 罠@ローカル

 カマンベールチーズはよく知られたチーズかと。その「カマンベール」とは製法ではなく、発祥の地の地名です。

 人口200人程度の村ですが、同チーズが広まることで村名、製品ともに世界的に知られるまでになりました。

■ 罠@ローカル

 ならばチーズをマチの特産品とするか?と考えもしますが、いまから参入しても太刀打ちできないでしょう。

■ 罠@ローカル

 チーズやジャムの類は製造しやすいのか、どのマチにも

○○チーズ

○○産ジャム

 があふれています。 知られてないマチが凡庸な商品によるブランド化は難しいかと思われます。

 むしろそういったことをしないほうがマチの名を貶めなくてすみます。

■ 罠@ローカル

 単なる地名付き商品を地域ブランドというのもどうかと思いますが、地名を付けたからといってそうやすやすと売れるわけではないことも付け加えておきます。

 地名が付いた商品が売れている理由は以下の2つ。

① そのマチが有名だから

② 商品そのものが良いから

 地名を付けて売れるならだれでもそうします。

②コンサル頼みでは「汎用品・地域ブランド」しか生まれない
木下斉さん

■ 罠@ローカル

 都会から(その多くは東京)訳知り顔で「センセイ」と呼ばれる専門家あるいはコンサルタントという類の人たちがやってきます。

 なんの専門家とかというと、地域ブランド化の専門家です。

■ 罠@ローカル

 わかりやすくいうと物売りに長けた人たちですが、知られていないマチの農産物を上手に売れる人たちかというとそれは別な話です。

 こういった人たちは、メジャーな会社の売れそうな商品を売るのに長けた人たちです。

 ブランディングにあわせてマーケティングも得意で、やたらカタカナが連発します。

■ 罠@ローカル

 こういったセンセイのもと、地域ブランド化の支援がなされます。

 正直言ってイナカの産品が全国区になる確率は10%もあるでしょうか。

 それでも挑むのは地域の将来のためであり、地元の活性化のためです。とうぜん期待もあります。

閑話休題

■ 罠@ローカル

 地元民はブランディングなどの知識はないため、センセイにお任せします。

 一方、センセイは地元の事情を知るわけではないのですが、そこはセンセイ、なんでも知っているという顔でご指導にあたります。

センセイの第一声
「とってもいいところですね」
支援先の地元民とはじめて対面するときの言葉

■ 罠@ローカル

 「センセイ」のバックボーンは学者やコンサルタント、はたまた別の土地で似たような仕事をするビジネスマンであることが多いようです。

 どこのマチあるいは産品の支援であっても自身の過去の成功体験を当てはめようとします。

 つまり当地オリジナル地域ブランド策ではありません。

■ 罠@ローカル

 いつしか国内はどこでも似たような土地となってしまいましたが、現実には同じ土地はありません。

 センセイのご指導は自身の体験(見聞きしたことも含む)を当てはめようとするため、過去のケースの踏襲となります。

 その多くは不発ですので、結果として地域ブランド化は実現しません。 もしくは実現にむけて取組中というところでしょう。

■ 罠@ローカル

 運よくイナカの産品が注目を浴びることもあります。 そういったときはセンセイのご指導のおかげとなります。

■ 罠@ローカル

 残念ながらそうでなければ、あそこはもともと売れるような産品ではなかったとされ、センセイのHPの支援実績には掲載されません。  

 ちなみに、地域ブランド化の成功例の一つと知られている佐世保バーガーは、当方が知るかぎり「わたしが支援した」と名乗る方は8名いらっしゃいます。

【 佐世保バーガー 】

③資源不足なのに難易度の高い方法に取り組む非合理
木下斉さん

■ 罠@ローカル

 マチは常時お金がありません。人口が多く、税収や交付金でリッチなマチは、そもそもブランド化は

 必要ナシ

 か

 すでにブランド  

 となっています。 いま取り組まなければ、地元の発展はないと危機感を持つことは大切ですが、東京もしくは三大都市圏以外はずっと衰退としています。

 ただし例外もありますが。

2014年まち・ひと・しごと創生法
その後廃止
まち・ひと・しごと創生総合戦略の開始
2019年第1期終了
2020年より第2期開始

 

■ 罠@ローカル

 地方創生の名目で補助金がばらまかれています。

 先のセンセイがイナカに来てくれるのもまち・ひと・しごと創生法のおかげかもしれません。

閑話休題

■ 罠@ローカル

 コトを起こすには人です。次はお金です。マチにはそれが足りません。  

 足りないので補助金にたよります。  

 現在、地域ブランドとして知られている地元の産品、あるいは地域ブランド化に成功したマチが補助金を活用したでしょうか?  

 当方は軽井沢に行ったことはありませんが、補助金で成り立っているとマチとは思えません。

■ 罠@ローカル

 資源、この場合、人やお金などですがコレが不足するので、補助金あるいは支援制度で、それを補います。

 それらは自腹や持ち出しではないので当事者意識は薄くなります。

■ 罠@ローカル

 資源が足りないにもかかわらず、難しい方法に取り組むことになります。  

 地域ブランド化などあいまいな目的に取組まず、

  •  関係人口拡大
  •  地場産品の流通拡大
  •  子育てしやすいマチの確立

 など、わかりやすい方向でマチをにぎわせていくほうが簡単で資源もさほど必要ではないのではないでしょうか。 

■ 罠@ローカル

 まれに地元が注目される瞬間があります。 その瞬間とは

  1. 地元高校が甲子園に出る
  2. 地元で凶悪犯罪がおきる   

 です。

 どちらも一瞬です。もって半年、長くて1年で忘れ去られます。

■ 罠@ローカル

 国内の地域ブランド化を実現させたマチは、かなり古くから意識的+無意識に取り組んでいたと思われます。 地域ブランドは早急に形成されません。ブランドというものはそういうものです。

言い得て妙の木下斉さんによる「地域ブランド化」が失敗に終わる3つの理由

① ブランド化に適さない凡庸な「地域」と「商材」
② コンサル頼みでは「汎用品・地域ブランド」しか生まれない
③ 資源不足なのに難易度の高い方法に取り組む非合理

■ 罠@ローカル

 地域ブランド化が失敗に終わる理由を端的に表現している木下斉さんの説明ですが、もう一つアリと考えます。

 そのもうひとつとは 行政主体だから です。 地域の問題解決になると、役所の出番となり、出番ということで登場します。  

 ただし、さしたる活躍なく去っていきます。

3つのローカル

  1. ローカルイノベーション
  2. ローカルブランディング
  3. ローカルサービス

■ 罠@ローカル

 お役人さん方にブランディングといった民間人ビジネスマンの真似事が適切にできるでしょうか。  

 国をはじめとしてお役所のすること、やることなすことうまくいっていますか? 

■ 罠@ローカル#まとめ

 地域ブランドや地域ブランド化は、残念ながら地元のにぎわいにつながりません。地域ケーザイにも効果がみられません。  

 日本には1700ほどの市町村があります。そのうち人が魅力的に感じるマチは200ほどでしょう。  

 さらに人が知っているマチとなると20ほどでしょう。  

 ブランドといえるほどのマチになるには人のランキング10位内に入らないと難しいでしょう。  

 地域ブランド化はそれほど難しい取組みなのです。  

 そういった難しい取り組みへのチャレンジは、なんとも言い難いものがあります。  

 このままでは地元が衰退していくと考え、なんらか手を打とうとするのは、大いに共感できます。  

 座して死を待つのか

 それとも打って出るのか

迷ったら

 ワイルドな道

 マイルドな道

 を選ぶのかは、その人の考えやそこに住む人々と置かれた状況によります。  

 地域ブランドはなにやら響きはよさそうですが、実際は甘くはありません。あしからず。  

 なお、ブランド地域と知られている軽井沢町は100年後も軽井沢町であると思います。

 

本号はここまで
木下斉さんも言っている。地元が陥る地域ブランド化に失敗する3つの罠。

 

リサーチに協力していただい方々に感謝いたします。
一方、リサーチに協力していただけなかった方、次回ご協力にお願いいたします。

 

訂正の連絡はこちら

 

【注意】
地図はグーグルより加工
価格・数量などは初回公開当時のもの
画像は下手上手関係なくローカライズド(LCD)
なお、取材日当日でないものもアリ
現地に赴く場合は、公式情報を確認されてから行くように

初回リリース
20211009

ここで紹介したことはすでに過去の情報となっていることを申し伝えておきます。

 

マチとの遭遇 九州編
#オールラウンド九州(ARQ)

 製作:ローカライズド(LCD)

■ メンバー
#1 風戸ケイキ
(リサーチ)

#2 ワリアイト・リョウ
(リサーチ)

#3 タシロ(プレス)

 旅とカットソーシリーズ
2021

関連記事

ふるさと納税2019 1/②

地域ブランドの罠(九州のケース)

ふるさと納税2019 2/②

地域ブランドの罠(九州のケース)

罠#5 佐伯

地域ブランドの罠(九州のケース)

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

ARQ:番外編

ローカライズド(LCD)は、いつなんどきでも九州の競争力について考えていま...