コロナ禍では「移動は一人」が正しい行動作法ではないでしょうか?
本号は2020年の記録です。
■ 熊本:9月某日(木)
移動は、コロナ/コロナに関係なく一人にかぎる。 コロナ禍の昨今、これが正しい行動様式と自負している。 今回も単独での出張であった。
■ 熊本:9月某日(木)
鹿児島の出水市の出張の帰りに熊本の知り合いに会うため熊本市内へ向かう。 新幹線では出水駅から熊本駅まで30分で着く。
出水
読み:いずみ
気持ちとしては出水駅から八代駅まで、肥薩おれんじ鉄道でのんびり移動したかったが、このたびの豪雨被害によって佐敷駅から八代駅までが不通となったため肥薩おれんじ鉄道での移動はできなかった。
■ 熊本:9月某日(木)
出水駅は2つある。JR九州の新幹線駅と肥薩おれんじ鉄道の駅。 新幹線停車駅の出水駅は新設もあって、ピカピカだ。一方、肥薩おれんじ鉄道の出水駅は旧国鉄出水駅のお下がりで、ボロっちい。
この駅にはwebマガジンの取材でなんども訪れており、そのたびになにもないところと実感する。 出水駅下りると独特のニオイアリ。
■ 熊本:9月某日(木)
新幹線側のJR出水駅には雲海酒造の工場があり、地元大企業のマルイ食品の工場があるからか、ちょっと臭う。
駅前に工場とは、いかにも地方の駅という趣き。いや非ビジネス街とも。
出水市の産業構造(*2015年)
- 第1次産業 14.0%
- 第2次産業 25.1%
- 第3次産業 60.9%
日本の平均だと第1次産業は5%ていど、出水市は10%超あり、まだまだ昭和といえる。
*総務省#国勢調査
■ 熊本:9月某日(木)
臭うのは都会と地方のちがいを示せる事象であり、ヨソであることをイメージづけられる。臭わせることで5感にアプローチできる。
臭いはさすがにwebでは伝えられまい。
臭うからNGでは地域おこしは難しい。臭ってこそ地方である。
【 出水駅(肥薩おれんじ鉄道側) 】
■ 熊本:9月某日(木)
駅のあたりはさみしい。出水駅がとりわけさみしいというわけでなく、地方の駅はおしなべてさみしくある。
■ 熊本:9月某日(木)
こういったマチにも東証1部上場企業があるから、駅前がさみしからといってあなどれない。
マルマエ
東証1部6264
従業員数は240人程度と中小企業規模であり、売上高も50億円いかない企業。
売上高営業利益率は一時20%を切ったこともあるが、ほぼ20%超の高収益企業である。
東京のファンドマネージャーには、こういった会社にぜひとも投資してほしい。地元の親御さんは、息子や娘をこういった会社に就職させるべき。
■ 熊本:9月某日(木)
出水駅の改札出てすぐの飲食店は、改装中だった。
この店は日本一ちゃんぽんのメニューが多い店として営業しており、出水駅の改札を抜けるたびに気にはなっていた。
気にはなっていたものの一度たりとも寄ったことはなく、改装となった今後どうなるか、さらに気になる。
それにしても出水でなぜちゃんぽん?地域活性化に関わる仕事をしているだけにそれはそれで気にはなる。
■ 熊本:9月某日(木)
発車まで相当時間があるので、待合スペースでレポートを作成する。
【 出水駅 】
■ 熊本:9月某日(木)
待合スペース併設のお土産売り場では、スタッフがせわしそうに働いている。
新幹線の発着以外ではお客は来ないはずだが、だれかしらチラホラと来る。
待合室を使わせてもらっている縁もあり、お土産物を買う。
■ 熊本:9月某日(木)
出水に来たらからには地元出水と関連あるお土産が欲しかったが、イマイチなお土産ばかりなため、範囲を広げて出水市を含む鹿児島県の土産にした。
出水ブランド
さつまいずみさん
地元出水にはそういった地元ブランドがあるが、これまたイマイチであった。 こういった地元認定ブランドはやめるべきとつくづく思う。
【 出水市 in 鹿児島県 】
■ 熊本:9月某日(木)
出発の時間が近づいたのでレポート作成を切り上げ、発券して、新幹線駅にありがちなだだっ広い改札ロビーを抜け、おそろしく長いエレベーターに乗る。
この長いエレベーターは天国に向かう階段のようでもある(体験したことはないが)。
無機質感たっぷりの新幹線のプラットホームに、新幹線が入ってくる。
■ 熊本:9月某日(木)
ぞろぞろ乗車するお客にあわせて自分も乗車。コロナ渦もあって乗車率は見た目2割程度。
お客はビジネスマンが大半。マスクをしていない人はいない。
■ 熊本:9月某日(木)
あっという間に熊本駅に着く。無機質感たっぷりの新幹線のプラットホームを出て、おそろしい長いエレベーターを下り、だだっ広い改札ロビーに出る。
改札ロビーに出たところでくまもんの頭部が出迎えてくれる。
ここでも人出はコロナ渦もあってかいつもより少ないようだ。 改札抜けた先のお土産売り場ゾーンは営業時間短縮になっている。
【 くまもんの頭部 】
■ 熊本:9月某日(木)
JR熊本駅を出ると市電に乗る。新幹線と路面電車のギャップは大きい。熊本市内の中心地:上通りまで行くため電停:通町筋まで乗る。
路面電車は脱炭素、新幹線はCO₂上等であるような構えに感じる。
■ 熊本:9月某日(木)
電停:通町筋で下車。その後一旦投宿。熊本の知り合いに会うときはたいていこの宿にする。自分の年収には手ごろ宿だ。
通町筋
とおりちょうすじ
アウエーで飲むときは帰る先を確実にしておかないと、どこに行っていいやらわからなくなるため一旦投宿。
クリック → 熊本市電路線図
■ 熊本:9月某日(木)
熊本の知り合いと合流。LINEやメールなどオンラインでのやりとりは年がら年中していたがリアルな本人に会うのは1年ぶり。
1年ぶりの再会となったのはコロナではなく、当地での仕事に縁がなかったから。
あいかわらずキモチのいいヤツ(男子:40歳前後)。
プライベートも仕事も順調の模様。 彼のイヤなところは「モテる」こと。
■ 熊本:9月某日(木)
上通と下通を歩く。いつ行っても人通りの多い商店街である。仕事柄、
商店街
||
シャッター街
が常識となっている自分にはこの人通りの多い商店街は、アンビリーバルな商店街。
上通下通
かみとおりしもとおり
熊本の人は、この人通りの多さを商店街のスタンダードと思ってはいけない。
■ 熊本:9月某日(木)
飲み屋に入る。コロナとは無関係なのか盛況。とくに若い人が多い。
若い人の酒離れ、食の細さが飲食業関係者からきかれるが、店内の若者の多さからすると、ウソに思える。
球磨焼酎だとなにがおススメですか?
■ 熊本:9月某日(木)
彼(先のもてるヤツ)がセッティングしてくれた知り合い数人とも合流。 「肥後もっこすとは何か?」が話題。
地元人だからといって球磨焼酎を飲むわけでなく、クロキリ(#霧島酒造@都城市)を飲む。
そもそも球磨焼酎はこの店には置いてないらしい。よっておススメもなし。
【 地元商店街 】
■ 熊本:9月某日(木)
飲み屋1軒目を出る。しこたま飲んだにもかかわらず2軒目に向かう。
2軒目は球磨焼酎専門のバー。ヨソ者への気遣いの度合いが高いのか、それとも単に飲みたいだけなのか?
球磨焼酎
くましょうちゅう
先客あるも酔い&大勢もあって、騒がしく入店。マスター、気さくなおじさん。
元新聞記者ということで少々身構える。
■ 熊本:9月某日(木)
自宅近くの販売店では目にしたことはない六調子酒造の1升瓶を見る。 お湯割りでいただくことに。
球磨焼酎の酒器:ガラチョクででてきた。
話題は地元情報に。宇多田ヒカル氏ではなく、その元ダンナの紀里谷和明氏の話題となる。地元の人だけに地元の人については詳しい。
【 ガラチョク 】
■ 熊本:9月某日(木)
相当飲んだためお開きとなる。各自、家路に着く(と思われる)。
すれちがう地元民は地元民しかわからない町名の話をしている。 自分は無事に宿に戻る。
翌朝、はげしい頭痛やむかつきなどなく無事起床。すばらしき球磨焼酎。
【 球磨焼酎 】
2日目
■ 熊本:9月某日(金)
朝7時前。いったん宿を出る。路線バスに乗って熊本県庁まで行く。webマガジンの画像撮影のため出向いた。
7時すぎだが、時差出勤なのか庁舎に入っていく県庁職員おぼしき人たちがいる。
バス停から県庁入口までの100mほどの並木道をとぼとぼ歩くのは強制収容所に向かう労働者のよう。
仕事は楽しくないのだろうか? はた目見には並木を通って職場へとは絶好のロケーションだが、あの出勤姿では県民に誤解を与える。
【 熊本県庁 】
■ 熊本:9月某日(金)
一通りスマホ撮影終え、上通りまで戻る。出勤時間帯もあって道路は渋滞。一方、バスの乗客は少ない。
上通内のファストフード店で朝メシ。コロナなのか、それとも元から不人気店なのか、お客は少なし。
宿に戻って旅装を整え、荷物をまとめる。
クラークスのナタリーはコーディネートしやすく、雨風にも強く心強い。気温もポロシャツで十分。
熊本市:9月の平均気温
20.8度(*)
* 気象庁
■ 熊本:9月某日(金)
ロビーにて支払い。素泊まりで1,410円。GOTOキャンペーンサマサマである。
フロントスタッフは韓国人。日本語をうまく話す。
荷物を預けて宿を出る。移動するには身軽がいい。市電に乗って交通局前へ。
【 電停 】
熊本の皆さん、路面電車はキケンと感じないのでしょうか?
■ 熊本:9月某日(金)
市電は電停ギリギリを走り、電停は電停でクルマがソバを近寄る。
ちょっと手をだそうものならクルマにあたる。キケン極まりない。
太りすぎの人は、電停からはみ出る。 ヨソ者としては、熊本の人たちが日々キケンにさらされているようで心配になる。
電停はクルマの少ない時代のプラットホームなのだろう。
【 交通局前あたり 】
■ 熊本:9月某日(金)
交通局前の歩道橋の上から路面電車の往来や、交通局の電車の出入りを見るのは少々感動する。
歩道橋の上からでもかすかにゴーの音とズシンズシンと振動が伝わる。
交通局前停留場
停留所番号:14
■ 熊本:9月某日(金)
再度乗車。板張りの床は新建材の床とちがって趣きがある。上通のある電停:通町筋まで戻る。
古い車両のほうが好みだが、日常使う市民にとっては新型車両のほうがいいのだろう。高齢者も乗りやすい。
路面電車は熊本市の老若男女LGBT向き(≒全人類)の観光アイテムになりえると思う。
【 路面電車 】
本号はここまで
50代男子。コロナ禍の熊本をウロウロしたときの記録、いや記憶。2020年9月 その①
リサーチに協力していただい方々に感謝いたします。
一方、リサーチに協力していただけなかった方、次回ご協力にお願いいたします。
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地図はグーグルより加工
価格・数量などは初回公開当時のもの
画像は下手上手関係なくローカライズド(LCD)
なお、取材日当日でないものもアリ
現地に赴く場合は、公式情報を確認されてから行くように
初回リリース
20210814
ここで紹介したことはすでに過去の情報となっていることを申し伝えておきます。
マチとの遭遇 九州編
#オールラウンド九州(ARQ)
製作:ローカライズド(LCD)
■ メンバー
#1 風戸ケイキ
(リサーチ)
#2 ワリアイト・リョウ
(リサーチ)
#3 タシロ(プレス)
旅とカットソーシリーズ
2021
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