マチとの遭遇 九州編

50歳(O-50)からの地域活性化

-解説-九州の人気企業(2022年):九州全域

2021年08月14日 10:03 by keiki-kazeto

■ 2022年(R4)@九州
2022年の第1位はアイ・ケイ・ケイ。前年、前々年、さらにその前の年も1位であった。 おめでとうアイ・ケイ・ケイ  4年連続1位では、毎年公表されるランキングとしては、新味もなくおもしろいとはいえず、人気投票であるが4年連続同じ企業が1位であるというのは、九州の新卒市場はにぎわいがないといえる。

■ 2022年(R4)@九州
人気企業ランキングでは上位30位が示される。  九州・沖縄の2022年に卒業する大学生を対象にした人気投票。その数3,623人。  

九州・沖縄の人気企業ランキング
2022

 1  アイ・ケイ・ケイ

 2  ふくおかFG

 3  西日本シティ銀行

 3  西原商会

 5  レベルファイブ

 6  TOTO

 7  西日本鉄道

 8  久原本家グループ

 9  福岡トヨタ自動車

10  九州旅客鉄道 

■ 2022年(R4)@九州
九州内の大学を出たからといって九州内の企業に就職するか(あるいはできるか)はわからない。  学生さんの地元志向は強いときくが、多くは東京圏の企業に就職すると思われる。  東京圏でなくても高校生のときまで住んでいた地元外の企業に就職すると思われる。

■ 2022年(R4)@九州
ときにタイミング悪く現在コロナ渦。  ランキング10位のJR九州は2022年度の新卒採用を見送るとのこと。  鉄道を理由に同社を選んだヤングは、ランキング7位の西鉄を目指すことになる。

■ 2022年(R4)@九州
九州には大企業以外の鉄道会社は少なからずある。  かならずしも鉄道勤務とはならないかもしれないが、イナカの3セク鉄道には求人が出ているので、そういったところに応募してみてはどうだろうか。  会社が好きなのか鉄道が好きなのか、迷いの深さでそれを知ることになるだろう。

■ 2022年(R4)@九州
九州の鉄道会社といえば、西鉄かJR九州。  ともに福岡本社企業で、鉄道が本業だが、不動産に手を出したり、流通に手を出したりと、ビジネスが似てきている。  ライバルのはずだが共同でマンション開発していたこともあった。

■ 2022年(R4)@九州
ランキングでは西鉄7位、JR九州10位となっている。  はやばやと採用見送りを発表したJR九州は若者に嫌われたようだ。  西鉄はコロナに関係なく新卒採用するらしい。

■ 2022年(R4)@九州
西鉄の採用情報によると運転士の給与は大卒・大学院卒で17万5,000円となっている。  サラリーマンはレールの上をいく人生だが、そのレールの上をいく人たちの仕事は少々安い。  ちなみに他の職種だと、大卒で20.3万円、大学院修了で22.0万円もらえる。

■ 2022年(R4)@九州
九州の人気企業は本社が福岡市もしくは福岡県に所在する企業に集中している。 ランキング1位のアイ・ケイ・ケイも本店は佐賀県の伊万里だが本部は福岡県の志免町にある。 九州の若者を呼び寄せるには福岡本部は最大の魅力であろう。  ちなみに志免町は、福岡県内のマチだが天神や博多駅周辺のきらびやかなマチではなく、どちらかといえば住宅街であることをお伝えしておく。

■ 2022年(R4)@九州
上位30位内にエントリーしている佐賀県の企業は同社だけ。 佐賀だと老舗企業で戸上電機、久光製薬、新しいところでオプティムなどがあってほしいが、残念ながらエントリーしていない。 上場企業だけに目を付けないのはもったいない。

■ 2022年(R4)@九州
残念ながら、大分県と宮崎県の企業もエントリーはない。  もちろん両県に会社がないわけではない。  選ばれないのは、若者に魅力がないと思われているからだろう。  地元ビジネスマンたちの奮起を期待する。

■ 2022年(R4)@九州
 大分県は所定内給与は262,100円と九州内ではそこそこ高いので、大分県を外すのはもったいなくある。  一方、宮崎県の所定内給与は低い。  選ばれないのは仕方ないとしても県内企業から1社もエントリーがないというのは、県の労働行政の仕事が足りないということ?  経済目線だと雇用吸収力すなわち何人採用するかだだ、地域のブランドと考えると、どれだけ選ばれているかではないだろうか。

■ 2022年(R4)@九州
そういった点では同列3位の西原商会はおおいに評価できる。  同社は鹿児島県に本社を置く企業。福岡や東京に本部や本店はなく、自県にとどまっている。  ヨソに目移りしない鹿児島県の地元企業といえる。 ■ 2022年(R4)@九州
鹿児島にも上場企業はあるが、それら企業はエントリーしていない。 ヤングは上場企業という理由だけでは就職先を選ばないのだろうか。  一方、親は子の将来を思ってか上場企業をすすめる。

■ 2022年(R4)@九州
同様に熊本県からも15位にえがお、20位にLib Work、26位に再春館製薬所がエントリーしており、未上場のえがおがマザーズ上場企業のLib Workを抑えている。  えがおと再春館製薬所では販売する製品は異なるが業態は同じである。それでも差がついたのは社名がひらがなと漢字のちがいか。  それにしても「えがお」という社名、今の時代のヤングには好印象なのであろう。

■ 2022年(R4)@九州
こういった会社に入社すると、相当腹立たしいときでも 「えがおの〇〇です」 と自己紹介せざるをえなくなる。  不祥事などの謝罪会見でも「えがお」「えがお」と連発することになり反省の色がみえないと誤解される。  社名が笑顔なだけに、弔い事にも場違いなイメージを与えることになりやしないか。

■ 2022年(R4)@九州
エントリーしている30社、ほぼ大企業といえる。どの会社もHPがあり、会社によっては採用専用サイトがある。 自社の製品やサービスを販売すると同じくらい人材の獲得に力を入れているようだ。  これでは知名度のない中小企業は人材獲得難にあえぐばかりである。

■ 2022年(R4)@九州
どの企業も人材不足という。人口減にともなう少子高齢化がその理由だが、いつの時代にあっても人材は不足している。 高度経済成長期の頃のほうが人材難であり、そのころに比べるとマシとの声も耳にする。 優秀な人材が入社後活躍するか?というとしないパターンが多いのではないか。プロ野球のドラフト1位選手がそういったケースのわかりやすい例である。

■ 2022年(R4)@九州
コロナ渦による業績悪化もあって大幅にリストラしている企業もある。  昨今の事情からすると企業規模に関係ないようだ。  いま入社した会社が3年後にリストラがあるかもしれない。

■ 2022年(R4)@九州
就職という道ではなく、起業という道もある。  世の中はスタートアップばやりだ。  福岡市にはスタートアップ企業を支援する官民連携の施設:Fukuoka Growth Nextなる施設がある。  福岡市だけでなく鹿児島にもある。鹿児島市のそれはmark MEIZAN。

■ 2022年(R4)@九州
就業経験もないのに起業とは無謀にも思えるが、起業すると文句言わずに働かざるをえなくなる。  しかも上司や先輩に指示されずに自分の判断で動かないといけない。  上がいないのは気楽だが、責任は全部自分となり、義務からは逃げられない。 とはいっても実際に起業して、懸命に働いているヤングもいる。

■ 2022年(R4)@九州
そういえばGAFAの創業は、グーグルは大学院生のとき、フェイスブックは大学生のとき、アップルはフリーターかなんだかわからない時期に起業している。 GAFAの一角、アマゾンだけは大学を卒業したビジネスマンによる起業のようだ。  学生さんにはチャンスが多い。

■ 2022年(R4)@九州
ビジネスを大きくするのはおじさん、おばさんでもできるが、ビジネスを起こすとなるとヤングではないと無理と思える。  このところのビジネス界のトレンドはスタアートアップであり、学生さんであるとねらい目だ。

■ 2022年(R4)@九州
そういえば福岡市にある九州大学には起業部がある。同大学には経済学部があるがそれは学部である。  起業部は部がつくが学部ではなく、部活だ。  部活といえば放課後するヤツだ。 そういったノリで起業できるとは、1960年代生まれのおじさんにはうらやましいかぎりだ。

■ 2022年(R4)@九州
2位と3位に福銀、西銀がエントリーしている。ただしくはふくおかフィナンシャルグループと西日本シティ銀行。  昨年までは銀行のエントリーはあっても、上位に来ることはなかった。  これもコロナの影響か。手堅いところに行け、という知恵がはたらいているのだろう。

■ 2022年(R4)@九州
そういえば九州にもう1つ〇〇フィナンシャルグループがあった気がする。 九州フィナンシャルグループ  熊本と鹿児島の銀行の連合体。同グループのランキングは25位。  やはり人気の点で福岡に本社のある銀行には負けるようだ。 ■ 2022年(R4)@九州
同率で3位に西原商会。ヤングに人気のあるゲーム会社レベルファイブを抑えての3位。  50歳すぎ(O-50)のオヤジからしてみれば、若者にはレベルファイブのほうに人気があるように思えるが、業務用食品卸会社のほうが人気を得ている。  九州のヤングは手堅いのか?

■ 2022年(R4)@九州
18位にシャボン玉石けんがエントリーしている。環境にやさしい石けんを作っている会社としてニッチな部分で知られている。 それ以外に特徴はさほどみられないが若者はエコに関心が高いのかこの会社の人気は高い。

■ 2022年(R4)@九州
会社の方針が「健康な体ときれいな水を守る」となっているため自社製品の使用と禁煙を求められる。 こういった縛りも若者に受けていると思われる。 人気ランキングには大企業か知られた企業がエントリーするなか同社のエントリーはかなりの健闘といえる。

■ 2022年(R4)@九州
ところで世の中はコロナ渦。企業業績にも大きく影響している。 コロナだからといって、悪いばかりではなく、巣ごもり消費などで好業績の企業もある。 そう考えると九州ナンバー1人気企業のアイ・ケイ・ケイの業績も気になる。 2019年 201.8億円
↓2020年  87.4億円 ■ 2022年(R4)@九州
前期の半分以下の減収となっている。  同社にとってコロナは悪以外なんでもなかったようだ。  売上高減とあわせて営業利益も減となり、最終利益で赤字、現金なども前期より31億円ほどの流出している。

■ 2022年(R4)@九州
創業してからあるいは上場してから金額など数字で示せるものはたいてい右肩上がりであったが、ここに来てどんと下がってしまった。 2017年12月には終値で819円の最高値を付けた株価も2021年5月には670円まで下がっている。 とはいってもこれでも持ち直したほうである。

■ 2022年(R4)@九州
同社は大幅減収減益となり、臨時雇用は減らしはしたようだが正規雇用の従業員は減らしていない。  コロナ渦で大幅減となったものの新規採用取りやめとはなっていないようだ。  人を大切にする会社ともみてとれる。

■ 2022年(R4)@九州
同社が今後どのような成長を遂げ、どのような社風をつくっていくかはわからないが、危機にあっても人を減らさない(臨時雇用は減らしたが)という視点で就職先を選んでいいのではないかと思う。

■ 2022年(R4)@九州
「人を大切にする」という会社は多い。 たしかに「人を粗末にする会社」とは言わないものだ。  しかし実際は人を粗末にしている会社は多い。

■ 2022年(R4)@九州
業績や給料は金額で示せるのでわかりやすい。  「人を大切にする」ことをわかりやすく示すのは難しい。とくに数字では。  あんがい従業員数の増減でわかるのではないか。減収減益となったときに、会社は従業員数をどうするかでおおよその見当はつくのではないか。

■ 2022年(R4)@九州
給料の多さ少なさで自分がはたらく会社を選ばないことだ。  長く働くと考えると、大切に扱ってくれる会社を選ぶのが賢明である。  なお、大切に扱ってくるのと社員に甘い会社はちがうので注意は必要だ。

 

 

 

本編はここまで。

なお、以下は過去の記事。

ー解説ー 九州の人気企業(2021年):九州全域

―解説― 九州の人気企業(2020年):九州全域

―解説― 九州の人気企業(2019年):九州全域

―解説― 九州の人気企業(2018年):九州全域

 

 

-解説-九州の人気企業(2022年):九州全域 

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初回リリース:20210710

ここで紹介したことはすでに過去の情報となっていることを申し伝えておきます。

 

マチとの遭遇 九州編

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■ メンバー
#1 風戸ケイキ(リサーチ)
#2 ワリアイト・リョウ(リサーチ)
#3 タシロ(プレス)

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