マチとの遭遇 九州編

スロウな旅:タイクツーリズム

【報告】阿久根市をウロウロする ①/2

2021年04月30日 17:02 by keiki-kazeto

阿久根。海があって山があって川がある、阿久根はそんなマチですが、そんなマチ、阿久根にかぎらず日本国内どこにでもあります。特徴はあってもどこか似ているのは、日本のマチの基本です。国内各地では人口は減り、高齢化もすすんでいます。

阿久根
「あくね」と読む

同質化や横並びが好きな人の国の住民は、住んでいるマチの状況も似ています。郊外のニュータウンも似ていますが、イナカのオールドタウンも似ています。 似ているマチへの訪問はさぞ、タイクツなことでしょう。

阿久根
「あくね」と読む

タイクツなツーリズム、略して

タイクツーリズム

タイクツを味わう旅とでもいいましょうか。そんなタイクツ-リズムにふさわしいマチをウロウロしました。なお、本号はローカライズド(LCD)メンバーが阿久根市をウロウロしたときの記録です。

 

製作
ローカライズド(LCD)

 

誤字脱字、日本語の少々おかしな言い回しなどについてはご容赦+ご理解ください(お許し願う)。とはいっても、多少下手なほうが人間味もあって、ダイレクトに伝わらんですかね?(ローカライズド(LCD)より)。  

阿久根
「あくね」と読む

〓 ワリアイトが行けというので出向いた。ワリアイトによるとそこにはなにかあるらしい。出向いた先は阿久根市。鹿児島の北のほうにあるマチ。一時、型破りな市長で知られたが、その市長が去った後はさほど聞かなくなった。その市長も失職から10年近くたつ。そういった話題も賞味期限切れか。

阿久根市の人口
2019年
22,118人

毎月の更新:阿久根市HP#人口・世帯数

ー 阿久根市の場所 ー

 

阿久根市のカンタンな紹介
 平成29年版の統計を元に

阿久根市は九州は鹿児島県、その北部にあります。人口密度は1キロ平米あたり157.3人。

ちなみに東京都の人口密度は1キロ平米あたり6,355人。

日本全体では人口密度は1キロ平米あたり335人なので阿久根市のそれはかなり低いといえ、この数字ではスキスキといえます。

当然のことながら過疎市町村です。43市町村ある鹿児島県は、そのうち41市町村は過疎市町村ですので、地元にいればさして気にならないのではないでしょう。

 

過疎市町村
鹿児島 41/43

 

阿久根市では1か月に10.1人生まれますが1か月に32.5人死んでいきます。差し引き22.4人、年間268.8人減っていくことになります。

出生と死亡の差し引き減の埋め合わせとして転入に期待したいところですが、1日に1.6人転入はあるも1日に2.1人転出していきますので差し引き0.5人の減となり、年間で182人出ていきます。

転入 1.6人
転出 2.1人
差し引き -0.5人

 

死んだりマチから出ていったりする人などで阿久根市から年間450人、人が消えています。

阿久根市の2017年(H29)の人口は22,118人、年間450人となると全人口の2.03%、一年間に50人に一人は阿久根市からさよならをします。 

2017年(H29)の一年間に
アクネから
さよならした人の数 450人 

このペースで増えたり減ったりしていくと40年後の2057年には1万人を切ります。

阿久根市の人口
2057年
9,858人 

ちなみに国内ドーム球場の収容人員はだいたい5万人です。

■ 阿久根1度目

 阿久根市は第1次産業の比率の高い土地である。つまりイナカ。同地でも牛・豚の飼育はさかんだが、よくイナカをバカにする表現する

 人間よりも牛・豚の頭数が多い

という事態にはなっていないようだ。いまのところ人間のほうが多い。

 そういったこともあってか阿久根牛、阿久根豚なるブランド牛、ブランド豚も聞いたことがない。

 市内をウロウロしている間も聞かなかった。たしかに阿久根にはブランドショップはない。

# 阿久根では、現在のところ人間よりも家畜の数が多いという状況にはなっていません。  

阿久根の場合

家畜 < ヒト

阿久根市の家畜の状況
(*:2017年(H29)2月1日))
 

家畜 頭数
肉用牛 2,803頭
乳用牛 46頭
8,867頭
11,716頭

 

 家畜はある年齢になると畜されますが、人間は殺されないかぎり生き続けます。

となると平和で安全とされる日本では人間の長生きが可能であり、阿久根もその例外ではありません。

 そういったこともあって阿久根では人口に占める65歳以上の割合は39.1%、ほぼ5人に二人はおじいさんかおばあさんのマチとなっています。

 人口が減ってたいへんだ、たいへんだと騒いでいる昨今、人口が減る分、食料生産を増やさなくてもいいと考えると、多少冷静になれるのではないでしょうか。

* 阿久根市 統計あくね 

■ 阿久根1度目

 阿久根市のホームページをチラッとみると、令和になって1か月たとうとしているが元号は平成になっている。こちらは東京から離れている分、情報が届くのが遅いようだ。

# 東京の羽田空港から阿久根市役所までの直線距離と移動時間は以下のようになります。

羽田空港から阿久根市役所までの

直線距離(*1)
968.5キロ

移動時間(*2)
  4時間44分    

 羽田空港を10時台の飛行機に乗ればギリギリ15時前に阿久根市役所に到着します。なお、利用する移動体は①飛行機、②バス、③鉄道となり、鉄道は2回乗り継ぎます。

*1 グーグル検索
*2 NAVITIME検索

■ 阿久根1度目

 肥薩おれんじ鉄道の阿久根駅に降りたつ。阿久根駅というからには阿久根の中心駅だろう。

 駅舎は水戸岡鋭治センセイのデザインによるもの。見た目、人に好まれそうな駅舎だ。

 地元ではデートスポットにもなっていると聞く。 駅舎はマチの交流センターも兼ねているらしい。

 交流センターの名称は

にぎわい交流館阿久根駅

 となっているが、施設の名前にあるような効果はなさそうだ。電車とバスの乗り継ぎもよろしくない。

よろしくない分、阿久根駅に1時間近くとどまるはめになった。

# 肥薩おれんじ鉄道の駅舎は旧駅舎の改修となっており、事業費は2億円ほどでした。駅をリニューアルしたのは2013年、新装オープンは2014年5月。

阿久根駅平均乗降者数(*)

リニューアル前(2012年)
343人

リニューアル後(2015年)
357人

 1日の平均乗車人員が300人程度の駅にしては、2億円は大型な投資と思えます。2億円の投資で乗降人員14人増というのは、投資効率としてはどうなんでしょうか。

* ウィキペディア#阿久根駅

 【 阿久根駅 】

■ 阿久根1度目

 駅を訪れるには鉄道だが、その便数は少なく上下ともに1時間1本ていど。多くて2本。

 駅舎内の時刻表には数字のない無地の部分が多く、便数の少なさがわかる。  

# 阿久根市議会だより(平成26年8月15日発行)には、以下の記載があります。

問:にぎわい交流館阿久根駅の状況について

答:正確な把握は難しいが、利用者は増加している。  

 問いは地元阿久根市市議会議員、お答えは市長。お答えした市長は阿久根を有名した市長の次の市長です。 オープン当初は同交流館内の飲食店のメニューは、スタッフの不慣れさもあってメニューはカレーのみであったことも議会だよりに記載されています。コストとオペレーションを考えるとカレーだけのほうが潔いと思えます。カレーのおいしい駅舎として、全国区になれるチャンスがあったかもしれません。

― 阿久根駅の場所 ―

■ 阿久根1度目

 ずっと前、阿久根駅すぐそばにブルートレインの車両を利用した簡易宿泊所があった。

 結局経営はうまくいかなかったようで閉鎖された。閉鎖されるも車両はそのまま放置され、風雨にさらされ、ブルートレインのブルー色がホコリにまみれてブルーでなくなりつつある。

 そのブルートレインを救出しようという気概あふれる人が登場し、救おうとしている。

 救おうとしているのは阿久根から遠く離れたマチでうどん屋を営むご夫婦、その救出方法はクラウドファンディング。

 ただ、救われたとしても阿久根での営業再開はないようだ。

【 ブルートレイン 】 

■ 阿久根1度目

 駅のロータリーではタクシーが客待ちをしている。ヒマそうに待つタクシーを見て退屈のお出ましを食らったような気分になった。

 駅内、駅前にスタバはないが、駅舎内にはコーヒーの自動販売機はある。人口2万人のマチの中心駅とはこんなのものだろう。駅から西に一直線に向かうと海がある。

 駅から海べりの建物越しにキラキラしたものがみえる。海風のニオイもする。

 不景気風に吹かれているのかあたりはさみしい。日経平均は依然として2万円を超えている(コロナウイルス発生前)。

# 駅からまっすぐに向かうと海に出ます。その距離230mほど。海に向かう駅前の幅の広い片側2車線の道路は車の往来もなく、スッキリしています。下り勾配ですので足が自然と前に出ます。

ー 阿久根駅からぶえんかん ー

■ 阿久根1度目

 駅から徒歩5分ぐらいのところに漁協直営の食堂:ぶえんかんがある。インターネットで阿久根の飲食店を検索するとココがヒットする。

 旅行口コミサイトのトリップアドバイザーでは、阿久根市の人気レストランとしてぶえんかんがトップに来る。

 同サイトでは「レストラン」のカテゴリーだが、ぶえんかんは「食堂」の趣だ。上品な方には不向きな飲食店ともいえるが、飲食店であることは変わりない。【2019年(R1)12月の検索】

【 ぶえんかん 】

■ 阿久根1度目

 ぶえんかん。漁師食堂にもみえ、漁師だけを相手にしていては経営はきびしいかもということで観光客にも開放したようにもみえる食堂で、ターゲットがしぼりきれない中途半端な食堂にもみえる。

 若い女性に好んで選ばれるような小洒落た感じはまったくない。

 ターゲットうんぬんなどは、この店では無意味だ。この店で「マーケティングコンセプトは?」とたずねるほうがバカというものだ。

 店内に入る。お客はぎっしり。マーケティングなど無意味なことがわかる。店内のお客は団体客ではなく個人客で占められている。外国人もいないようだ。

 田んぼの真ん中のムリヤリなカフェよりも、だんぜんこちらに好感が持てるのは自分がトシなせいか。「カフェ」という響きも少々気恥ずかしい、それもトシのせいか。

■ 阿久根1度目

 見た目にヨソ者とわかる者が入っていいのかと戸惑いながら入ったが、13時すぎにもかかわらずお客は多く、にぎわっていた。

 こちらのほうがにぎわい交流館としてふさわしい。   

# ぶえんかんとは地元鹿児島では新鮮な魚という意味です。ただし、はたらくスタッフはフレッシュさからは遠いオールドなスタッフばかりです。その分ベテランの味が楽しめます。とはいっても高齢者が働ける職場のなのか、若い人がいない職場なのかは、これだけでは判断できかねます。

■ 阿久根1度目

 公式のHPもSNSもなく、インターネットのグルメサイトだけの紹介でこれだけ集客できている。客層をみるかぎりでは、ネットを駆使して来店した層ではなさそう。 店内を見回すとお客最若手は50前後の自分のようだ。

 スマホを手にしている人はいない。運ばれたお料理を画像撮影する人も当然いない。 営業時間は8時から14時30分まで。この時間設定は魚市場で働く人にあわせた営業時間か。

 さっさと注文して、そそくさと食べて店を出る。よくある市場食堂という印象であった。黒字経営のニオイはした。

■ 阿久根1度目

 店を出る。人通りはない。人口密度の低さを思い出した。漁港であることをハダで感じる。ときおりクルマが通る。防波堤で釣り竿を垂れている人が遠くに見える。

 防波堤には人が多く、ここは人口密度は高そうだ。

 魚市場の前にはトロ箱が積まれている。魚臭か海のニオイもする。 きくところによるとキビナゴは阿久根の名産らしい。

 キビナゴは青魚、青魚は苦手なので、さほど興味はひかれなかった。それよりも水産業が振るわないという話にはひかれた。

# 阿久根市の統計によると魚種別水揚状況ではほぼ20年の間で金額ベースでは、ほぼ半減しています。

魚種別水揚状況

1996年度(S61)
53億  944.4万円

2016年度(H28)
24億1677.7万円

 統計をおっていくと1996年度は2漁協の集計でしたが、いつのまにか1漁協となっています。そもそも地元には水産関係の組合は7つありましたが合併で1つになりました。

 水揚げが半減すれば、おのずとそうなるのでしょう。

参考 RESAS 産業構造マップ

【 阿久根の漁港 】

■ 阿久根1度目  

 漁協の建物のシャッターにアート?落書き?とおぼしき絵が描かれてあるのを見た。

 少々、阿久根が難儀に思えた。 昼間の漁港というのは阿久根にかぎらず、閑散としているものだ。

 この瞬間だけをみて、地元の水産業は壊滅状態とみるのは阿久根に対して失礼だ。とはいってもビジネスが振るわないと、当然、そこではたらく人も少なくなる。

# 阿久根で漁業を仕事とする人の割合は全体の2.85%と少なく、公務員より少ないものです。

漁業で働く人(*)

1990年(H2)
827人(6.03%)

2015年(H27)
294人(2.85%)

(  )は阿久根市の働ける人全体に占める漁業で働く人の比率

 はたらく人も人口減にともない減っていますので、不思議な話ではありません。阿久根のはたらく人は1990年の13,718人から2015年の10,308人と3,000人超減っています。高齢化も当然であり85歳以上の方も2人ほどいらっしゃいます。 それにしても水産業者の減りははげしいものですが、もうからないところから減るのは当然の話です。

参考:RESAS 産業構造マップ 従業者数(大分類)

【 シャッターアート 】

■ 阿久根1度目

 付加価値の高そうな仕事も地元から撤退しているようだ。阿久根にはクリエイティブなビジネスなどもなさそうだ。

 マチをウロウロしているだけではわからないが、ITなどのビジネスがあるようなニオイはしない。

 ゲームクリエイターなどはいなさそうだし、スタートアップ企業という言葉はここにはない。シェアオフィスもなさそう。

# 阿久根では情報通信業で働く人は減っており、事業単位ベースでは大幅減となっています。企業単位では記載もなく、ほぼ消滅の可能性は高いようです。

情報通信業で働く人

事業者単位

  • 2009年(H21)14人  
  • 2016年(H28) 1人   

企業単位

  • 2009年(H21) 1人
  • 2016年(H28) なし  

 この間、郵便局ではたらく人も6人から5人と1人減となっており、人口が減っているのでデジタル、アナログ関係なく伝達手段の需要も減っていると思われます。

参考:RESAS 産業構造マップ 従業者数(大分類)

【 阿久根のストリート 】

■ 阿久根1度目

 阿久根をウロウロするならレンタカーも手配しておかなければ移動は困難を極める。阿久根の観光スポットに行こうにも、そこまでの交通手段は多くあるわけではない。

 レンタカーぐらいあるだろうと安心していたら、あてが外れた。もちろんカーシェアもない。インターネットで検索してもヒットしない。【2020年1月の検索】  

 マチを縦につらぬく国道3号線はトラックの往来が多い。

 トラックもビジネス用の車だが、昼の街中に走りまわるいわゆる営業車はここではそうみられない。

 とはいっても車中の昼寝休憩に適する場所は、阿久根にはたくさんあるようにみえる。

阿久根市の市町村内総生産額(*)

 2008年度:579億円
 9月:福田総理から麻生総理に

 2009年度:583億円
 7月:中国・九州北部豪雨発生

 2010年度:599億円
 1月:西平良将氏、阿久根市市長に

 2011年度:600億円
 9月:野田内閣発足

 2012年度:550億円
 7~8月:ロンドンオリンピック開催

 2013年度:588億円
 「おもてなし」という言葉が流行る

 2014年度:597億円
 4月:消費税が5%から8%へ

 2015年度:582億円
 日本人2名ノーベル賞受賞

 2016年度:598億円
 12月:SMAP解散  

 世の中のうごきと地元のケーザイはさほど関係ないようにもみえるし、みえなくもある。

* 鹿児島県HP#県政情報 更新日20191016

■ 阿久根1度目

 レンタカーもカーシェアなどのサービスがないのはニーズがなく、車の保有台数も多いからだろう。

 それにしても軽トラは多く見かける。白の軽トラはイナカ道だからこそ映える。インスタには映えない。

# 阿久根市は約1万世帯のマチです。自動車保有台数からすると1家に1台は4輪の車があることになります。

阿久根市の自動車保有台数
(*1:平成29年度)

乗用車(普通・小型)
5,962台

軽自動車(乗用) 
7,247台

 ちなみに阿久根市の交通事故発生件数は1日に1.4件(*2:2017年平均)、おとなりの出水市は1か月に18.5件、1日当たりにならすと0.6件(*1:2015年)となります。阿久根市はおとなりのマチより交通事故が多く発生しています。

*1 阿久根市 統計あくね
*2 出水市 統計いずみ

■ 阿久根1度目

 阿久根リサーチのターゲットの1つであるA-Zあくねに出向く。

 バスの本数は少ないが、同地近くまで行く路線バスが走っている。それに乗る。阿久根には食品から自動車まで販売する巨大スーパーがある。

 A-Zあくねがソレだ。最寄りバス停に降り立つと、そこからA-Zあくねが見える。遠くからだと、よりその巨大さがわかる。しかも横に長いので巨大さが伝わる。

【 A-Zあくね 】

■ 阿久根1度目

 巨大スーパーマーケット:A-Zあくねの運営会社の本社は阿久根にある。阿久根以外には同じ鹿児島県内で2店ほど営業している。この2店も巨大だ。

 同スーパーはウィキペディアでも紹介されている。

 テレビ番組などでも取り上げられ、ビジネス関係の情報誌でも過疎地で成功したスーパーとしてなにかと紹介されて事前情報は得ていたので、さほどサプライズはなかったが、店内に入るとおどろいた。

広すぎて大きすぎる。

 巨大すぎてインスタ映えは不可能。耳にする情報と目にする情報では、感動がちがう。ハダで感じたいなら現場を踏むべき。

■ 阿久根1度目

 A-Zあくねは観光スポットではないので、地元観光パンフレットの類に紹介はない。しかし、これを見ずして阿久根を去るのはもったいなくもある。

 巨大すぎるゆえに東京ドームとの比較はお約束だろうが、ケーザイ目線となると広さよりも地価ではないだろうか。

 過疎地の阿久根だけにきっと地価は東京ドームにくらべて安いはず。 固定費の低さは、同社経営のもっとも大きい成功要因ではないだろうか。

【 A-Zあくね 】

■ 阿久根1度目

 同社社長:牧尾英二氏は本も出しているので参考にしたいところだが、同社はケーススタディにはなるまいと思えた。

 国内どこでも人口減少で、過疎地だらけであり、阿久根こそ、そのお手本のようだが、阿久根の場合は過疎地すぎる。  

同社社長の書籍

  1. 利益第二主義:過疎地の巨大スーパー「A-Z」の成功哲学
  2. 過疎地で年商100億円!「生き残る」会社の法則

 本のタイトルからして過疎地とわかるが、あえて特別な場所で営業しなければならないようだ。

 過疎地だとお客は少ない。その分、競合も少ないというメリットもある。はたらく人も少ないだろう。

 しかし、本当にないのは、非常識なスーパーを営業する勇気では? 地域経済活性化にもっとも欠けているのは「勇気」と思える。

■ 阿久根1度目

 阿久根は過疎地。同時に人口もピークとなった昭和30年からずっと減っており、過疎地であり人口が減るマチとしての歴史も長い。  

 たしかに住宅は少なく、都市部でよくみかけるグランドメゾンの類の高層住宅はない。

 そもそも10階建て以上の建物がない。市役所にうかがってみると、とくに規制はないようだ。「ない」のは人だけのこと。

# 阿久根は過疎地だけに地価は安いようです。取引面積1㎡あたりの取引価格は、住宅地では阿久根市は全国の1/14程度となっています(*:2017年)。 商業地でもほぼ同じような比率となっています。なお、中古マンションにいたってはデータがありません。地価だけをみるとビジネスチャンス満載のマチにみえます。

阿久根市
   8,421円/㎡

鹿児島県平均
 27,747円/㎡

全国平均
 60,018円/㎡

*1 総務省 過疎対策の現状と課題 20170718資料
*2 RESAS まちづくりマップ 不動産取引

■ 阿久根1度目

 A-Zあくねを出て路線バスに乗る。南国交通のバス停:大林を通過するバスは1時間におおいときで5本くらい。

 くだりのぼりだとその倍で10本。本数は少ないためバスの時間にあわせて行動する。

 運行は南国交通。社名からのんびりした印象を受ける。時間通り来るのか心配になる。

【 バス停:大林 】

ー AーZあくねの場所 ー

■ 阿久根1度目

 目当てのバスが来たので乗る。心配にたがわず定刻通り着。

 調べるとバスは2時間ちかくかけて霧島の鹿児島空港からやってきている。

 それで定刻通りに到着とは、南国交通という社名からのんびりしていると想像して申し訳ない気持ちになった。

スタート:鹿児島空港
竹子
横川野坂
永野
薩摩支所前
広瀬(佐志)
鉄道記念館前
虎居町
薩摩平川
出水本町
出水駅
出水BC
西出水
高尾野駅前
野田駅前
折多校下
大林
阿久根駅前
阿久根市役所前:ゴール

 スタートからゴールまで2時間2分。

 阿久根市を縦に抜ける3号線は阿久根市中心市街地より北側は内陸部を走り、バスだの大型トラックだのがはしり、風景も殺風景で楽しくない。

 バスの車内はかすれるような小さな音:AMラジオの音がする。これは乗客に向けての放送なのか、それとも運転手さんが個人的に聴いているのか気になった。

 社名イメージのおおらかムード満載な運行。阿久根、好きになる。この場合、南国交通か。

■ 阿久根1度目

 阿久根駅前で下車。バスは自分をおろすと走り去っていった。

 太陽に照らされてにぶく光る銀色の車体はイマイチ南国ムードにはそぐわない気がする。しかし車体にある社名の

略称 N.K.K

 がみょうにシブく感じる。便数が少ないため乗り継ぎも悪い。

 悪いが駅ということもあってトイレに行ったりちょっと駅の周辺をウロウロしたりするには、いい時間となった。

 それにしてもトイレや休憩スポットなど、なにかとタダで使われてはカネがでていくばかりだろう。

 気の毒に思えた。駅から阿久根にはいって数時間経過したが、たいして阿久根で消費していない。目当てのバスが来たので再度乗車。

【 バス停:阿久根駅前 】

■ 阿久根1度目

 シャッターが下りっぱなしのマチの中心地を抜ける。ここが阿久根のメインストリートのようだ。

 阿久根を最大瞬間風速的に知らしめたシャッターアートはここで遭遇できる。

 道路の両脇にシャッターアートがあるのは、いささかクドく感じる。色彩もカラフルなのもクドさを増しているようでもある。

 消さないのか消せないのかはわからないが、そのままということは価値はあるということなのだろうか。

 シャッターアートの通りを抜けると自動車教習所をみかけた。

 人口が少ないマチで自動車教習所の経営が成り立つのかと思ったが、阿久根にはもう1社自動車教習所があることを知りおどろく。土地に余裕があるようだ。

【 シャッターアート 】 

■ 阿久根1度目

 阿久根の南部エリアは、横目に東シナ海をみながら走るので気持ちがいい。

 寒くても窓をあけて走りたくなる。道路横の海べりは断崖絶壁気味、ちょっとテレビコマーシャルにありそうな風景でもある。

 といってもプチ絶景レベルだ。国内にはまだまだこれを超える絶景はたくさんあるはず。

 観光旅行のように目指していく絶景地ではなく、たまたま出会った絶景地であるため得した気分は大きい。

 このあたりはクルマで行くのもヨシ、路線バスで行くのもヨシ、国道3号線にほぼ並走するかのようにはしる肥薩おれんじ鉄道に乗るのもヨシと、味わい方のバリエーションは多い。

 観光マーケティングに関わる者としても地元観光協会はこの地をどう紹介しているか気になる。

 ランキングにはないようだが、ランキングを背にするところがいい。

 阿久根、好きになる。 

 

本号はここまで

【報告】阿久根市をウロウロする ①/2

 

リサーチに協力していただい方々に感謝いたします。
一方、リサーチに協力していただけなかった方、次回ご協力にお願いいたします。

 

訂正の連絡はこちら

 

【注意】
地図はグーグルより加工
価格・数量などは初回公開当時のもの
画像は下手上手関係なくローカライズド(LCD)
なお、取材日当日でないものもアリ
現地に赴く場合は、公式情報を確認されてから行くように

初回リリース:20200411

ここで紹介したことはすでに過去の情報となっていることを申し伝えておきます。

 

マチとの遭遇 九州編
#オールラウンド九州(ARQ)

 製作:ローカライズド(LCD)

■ メンバー
#1 風戸ケイキ(リサーチ)
#2 ワリアイト・リョウ(リサーチ)
#3 タシロ(プレス)

 旅とカットソーシリーズ
2020

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