マチとの遭遇 九州編

特別版 地域ブランドの罠【九州のケース】

罠 #1 ゆふいん ①

2019年04月13日 09:04 by kieki-kazeto

地域ブランドの罠#1ではゆふいんを例に地域ブランドについて考えます。

外国人観光客でうじゃうじゃの

由布院 

よみ:ゆふいん 
【注意】:本webマガジンでは、ゆふいんの表記はあえて「ゆふいん」であったり、「由布院」であったり、「湯布院」であったりと製作側の気まぐれとなっています。

 【 ゆふいん 】

ワリアイト
九州のブランド温泉地といえばゆふいんだよね?

カゼト
九州の観光地のおすすめルートに8割がた入ってるな。現地はこのところ外国人が目立つけどな。

ワリアイト
でも並の温泉地ではないと思うけどね。

カゼト
オレはそれほどいいと思わないがな。

ワリアイト
オヤジに良さはわからないよ。

〓 日本人はブランドが好きです。あわせて温泉も好きです。ならば、ブランド温泉地ならもっと好きだろうということで、九州いや日本のブランド温泉地である由布市のゆふいん温泉を通して地域ブランドのありかたを九州のとある居酒屋:ナンバショットで、カゼト氏、ワリアイト氏のお二人は考えてみました。

ワリアイト
ゆふいんって、地名表記では由布院、湯布院どちらなんだい?

カゼト
どちらもだろう。行政区は由布市で、市内には由布市湯布院町がある。一般に由布院で湯布院。外国人にはどっちでもいい話だ。ゆふいんときこえれば。

カゼト
プロパンガスの住所表記には湯布院とあった。

【 湯布院町の表記 】

# ゆふいんは九州の大分県由布市にあります。

【 大分県由布市 】

ワリアイト
NHKの天気予報では湯布院だったな。

カゼト
道路標識も湯布院だったな。

ワリアイト
外国人にどうでもこといいだろうけど、表記が定まってないのは地域ブランドとしては、少々難ありでは?

# ちなみに他のブランド温泉地として知られている箱根温泉は神奈川県足柄下郡箱根町に、草津温泉は群馬県吾妻郡草津町にあります。双方、地名表記にズレがありません。なお、さほど関係ありませんが、滋賀県に草津市があります。

ワリアイト
滋賀県の草津市の温泉は草津温泉といっても問題ないかな?

カゼト
なんとも。ただ、草津市と草津町は友好都市の関係らしい。

ワリアイト
草津温泉つながりってこと?いいことだね。それにしてもゆふいんは、地域ブランドの点からすると整理が必要だね。デュアル表記はヨソ者をを混同させるよ。由布院と湯布院では。

カゼト
統一できない理由があるのではないか?地元には。いずれにしても「ゆふいん」だ。しかし、デュアル表記ってなんだ?

# 同じ町内で2つの表記があるということでしょう。ちなみに由布市の市名は公募で決められ、となりマチの別府市にお住いの方が考えた市名になりました。なお、新市名の公募に旧合併3町からの応募は8割を超えており、新市名の関心は高かったようです。

カゼト
合併はなんなくすすんだのかな?

ワリアイト
ボクがみたところ、3町のなかで庄内町は少々お荷物市町村みたいだったけど、人口も少なく、高齢者も多く、自主財源も少なく、地盤としては弱そうだけどここの町長が市長になった。本庁舎もここに置かれた。

カゼト
やり手なのかな?その町長。

# 新市発足にともなう、その後の選挙では旧3町のそれぞれ町長と新人一人の計4人が立候補し、結果、力弱いマチの庄内町の町長が当選しました。ちなみに立候補者3人の苗字は佐藤さんで、当選した人は非佐藤さんでした。

カゼト
そもそもゆふいんってブランド温泉地なのか?

ワリアイト
お値段のお高い宿は多いみたいだけど。

カゼト
ランキング的にはどうなんだ。

# 全国の人気温泉地ランキング(2018)的なポジションでは、ゆふいんは以下のようになります。

  ゆふいん 1位の温泉
楽天トラベル ランキング外 熱海温泉
じゃらん 6位 箱根温泉
日本旅行 7位 草津温泉
HIS 2位 草津温泉

*各社HPより 検索時期は2019年1月

ワリアイト
ゆふいん、あんがい上にきてないね。

カゼト
人気温泉地ランキングだから、ゆふいんは大衆的な人気はねらってないのでは?なんともいってもゆふいんはブランド温泉地だからな。

ワリアイト
キミが言うとトゲあるね。

カゼト
ブランド温泉地だけど、ゆふいんがどこにあるか知らない人は多いんじゃないか。熱海なんか、新幹線の駅名だよ。

ワリアイト
箱根はないよ。

カゼト
新幹線はないけど箱根駅伝があるじゃないか。毎年、年のはじめにテレビ局が箱根温泉を宣伝してくれるようなもんだ。箱根といえば温泉か駅伝だろ。

ワリアイト
そうかな?

# ところで、ゆふいんは大分県由布市にあります。ゆふいんのある大分県は“おんせん県おおいた”のキャッチフレーズでプロモーションしている温泉の多い県です。

― 大分県由布市 ―

 

カゼト
ブランド温泉地だけに、宣伝は控えてると思う。ブランド温泉地というからには他者からの評価でないと。`

ワリアイト
そもそも年間、何人来るんだろう。

〓 多くの人が訪れるゆふいん。2017年は日帰り客、宿泊客あわせて386万197人、同地に訪れています。平均すると1日1万人は訪れている計算になります。

2017年の観光客総入込客数

  • ゆふいん  386万人
  • 箱根温泉 2,152万人
  • 草津温泉  325万人

* 各自治体 統計

カゼト
ゆふいんには年間386万人来てるけど、箱根温泉より少なくて草津温泉より多い。しかし、これではたいしたことのあるのか、ないのかわからんな。

ワリアイト
箱根温泉は東京からの地の利の良さかな。それにしても年間2,000万人とは、すごいね。

カゼト
ブランド温泉地のゆふいんは観光客数の多さ少なさは、気にしてないと思うな。

ワリアイト
じゃ、なにかい?知名度。満足度。

カゼト
いいやちがう。量的ボリュームを求めないのがブランド温泉地だな。

ワリアイト
ゆふいんは、じゅうぶん知られてると思うけどな。

カゼト
ストーリーだよ。。女子にワーキャー言われているようではマダマダ。

ワリアイト
ブランド温泉地となるには、女子がワーキャー言わないとダメだろ。しかし、ストーリーってなに?

カゼト
その土地らしさかな。

■ ゆふいん
 溝口薫平氏と中谷健太郎氏はゆふいんを国内有数のブランド温泉地にした立役者です。ウィキペディアでは、ともに実業家と紹介されていますが実のところは宿屋のオヤジです。  

 ゆふいんをブランド温泉地にしようと奮闘していた時期は若者でしたが、2019年の現在、お二人とも80歳を超えるおじいさんです。その姿から映画館のないマチで映画祭や地元産の牛肉を食べた後、思いのたけを叫ぶ大会を開催する愚挙(いや快挙)をする人物には見えません。こういったチエを絞ったイベントがゆふいんの名を全国に広めていったようです。

 お二人は40才をすぎてからゆふいんをにぎわせていました。  

中谷健太郎氏 1934年生まれ
溝口薫平氏  1933年生まれ  

 お二人とゆふいんのいままでを知ると、観光地は名所や名産が人間を呼ぶのでなく、人間が人間を呼ぶ仕組みで成り立つことがわかります。 お二人の当地での奮闘ぶりは語りに語られています。そのなかにとくに目を引く中谷健太郎氏のインタビュー記事があります(*)。その記事には

1962年に年間38万人だった由布院の観光客は10年で10倍に膨らんだ

 とあり、その後のゆふいんのにぎわいや評価からすると、まんざらウソではなさそうです。 ゆふいんへの観光客は2007年に471万人とピークになりますが、それ以降は減っていきます。観光客数を10年で10倍にしたスピードは、現在400万人超やってくるゆふいんでは受け入れ態勢として不可能にちかく、お二人は伝説をつくりました。

* 事業構想web 2014年10月号

カゼト
ゆふいんって観光客数減らしてんだよ。ここ10年は。2007年がピークだよ。日帰りも宿泊客もあわせて471.9万人来てた。2017年より100万人弱多く来てた。

ワリアイト
ということは軽く100万人分の観光収入失ったわけだ。これは大きいな。

カゼト
そう。それでもピーク時から2割減だから、まだ大丈夫。ビジネスごとはピークから4割減となると危ないな。

ワリアイト
ブランド温泉地として大丈夫か?

カゼト
箱根温泉にしろ、草津温泉にしろ、この10年間は前年並みだったり、多少減だったりするけど長い目でみると減らしていない。

ワリアイト
ゆふいんはイタいな。長期的には減になっている。

  平成20年 平成29年 傾向
ゆふいん 405.3万人 386.1万人
箱根温泉 2,067.7万人 2,152.0万人
草津温泉 269.1万人 325.0万人

*熊本の震災は平成28年

ワリアイト
きびしいね。

カゼト
なんでゆふいん、減るんだ?

ワリアイト
地震があったから?

カゼト
東北の震災のときはこっちに流れてはずだから、いい思いもしてるはず。

ワリアイト
それにしてもなぜ、減る?

カゼト
日本人が来ない。

# ゆふいんは日本人観光客の減りが激しくなっています。

ワリアイト
JRゆふいん駅の駅前は日本人を見つけるほど苦労するね。

【 JRゆふいん駅前 】

カゼト
そこまではないが、たしかに。

ワリアイト
どこも観光地はインバウンド需要獲得で外国人の誘客にがんばってるじゃないか。

カゼト
ゆふいんはそれがかえって裏目に出てるとみた。日本人は外国人がいない日本の観光地にいきたんだよ。

ワリアイト
たしかにゆふいんは、外国人がウジャウジャいるしね。

カゼト
日本人減を外国人増で補おうとしているが、それほど増えてない。

ワリアイト 外国人が増えるから日本人が行かなくなるのでは?

カゼト
ゆふいんブランド低下の原因は観光協会の会長では?

ワリアイト
地元の宿の社長でもあるみたいだね。けっこう女性向けの雑誌でも取り上げられているのをみるけど。

カゼト
あの人が地元観光協会の会長になってから、ゆふいんの観光客が減りはじめた。

ワリアイト
ちょうど、ピークがすぎて悪いタイミングで会長になったようだね。

カゼト
気の毒といえば気の毒だな。人のせいにみられる。

ワリアイト
いまでこそ、ゆふいんは行ってみたい温泉地ランキングの上のほうに来るけど、60年代には別府のほうがにぎわってて、さびれた温泉地だったんだよ。

カゼト
ある意味、リアル日本のイナカの温泉地だったんだ。

■ ゆふいん
 地元観光協会の会長は地元の高級お宿の社長でもあります。ブランド温泉地ゆふいんを代表する宿の一つとされていますが、このところは観光客減少とともに売上も減少しているとのことです。

 地元の情報通によると、にぎわっていた時期は100人近くいた従業員もいまでは半分ほどになっているとのことです。お宿は年中無休な業態ですが、2019年の春からは営業しない日もあり、異変が起こっているのでしょうか?

ワリアイト
旅館にバーのハシリがゆふいんの玉の湯では?

カゼト
16室の宿にバーかよ。ゼイタクだな、しかし儲かるのか?

ワリアイト
どうだろう採算は。でも宿のブランドを上げるよ。

カゼト
バブルなかんじもするな。

ワリアイト
バブルなマチではないと思う、ゴルフ場の建設に反対するぐらいのマチだから。

カゼト
それはマチで会って宿ではないだろう。とはいってもゆふいんは市町村合併もあったから、由布市には3つほどゴルフ場はあるけどな。

# ゆふいんはその昔、志の高いマチでした。ゴルフ場の建設に反対し、ラブホテルの営業を禁止し、けばけばしいカンバンを撤去してきました。誇りあるゆふいんのイナカの風景を維持するために景観条例を制定し、美しい風景を守ろうとしてきました。

ワリアイト
ゆふいんをブランド温泉地にしたのが、桑野さんのお父さんの溝口薫平さんと中谷健太郎さん。

カゼト
そう、そのへんのことは「由布院の小さな奇跡」に詳しい。そういった類の本は多く出されてる。二人の奮闘ぶりはおもしろく書かれているきらいもあるがね。

ワリアイト
ドラマになるよ。

カゼト
まだ生きてるぞ。

ワリアイト
存命中でもアリだよ。

カゼト
たしかにNHKの経営委員の委員長はJR九州の会長だったしな。ゆふいんが舞台になれば、鉄道収入も増えるぞ。

ワリアイト
この際、大河ドラマはぜんぶ九州を舞台にするようにしてほしいな。

# NHK大河ドラマの九州シフトは2008年の篤姫の頃からチラッと言われており、龍馬伝(2010年)、軍師官兵衛(2014年)、西郷どん(2018年)、いだてん(2019年)と九州が舞台になるドラマが多く見られます。ちなみに石原氏は2010年12月にNHKの経営委員に就任され、2016年6月に委員長に就任されています。

■ ゆふいん
 ゆふいんをそこまでにした人物が溝口氏、中谷氏のお2人であるなら、今後(すでに)由布院をダメにするかもしれない人物が溝口薫平氏の娘さんである桑野和泉さんとなるのでしょうか。成功させた後の次の人は、なにをしても評価されないものでなかなかツライところがあります。

ゆふいんのにぎわい期の変遷

1970年以前        さえない温泉地時代
1970年~1980年 模索期
1980年~2000年 ゆふいんにぎわい期
→ もっともにぎわい期 1985年~1995年  
2000年以降        ゆふいん衰退期

カゼト
ゆふいんの観光客を減らした桑野和泉さんも地元ゆふいんを美しい田舎であろうとしているようだ。そんな記事を日経の電子版でみた(*)。

* 日本経済新聞 20180504

ワリアイト
昔に戻りたいのだろうけど、スマホが世の中に定着した以上、難しいだろうね。

カゼト
wi-fiなんかあったらダメだろ。昔に戻すなら。

ワリアイト
世の中が進歩する分は仕方ないよ。

カゼト
昔に戻るというのはダメダメなゆふいんに戻るということか?

ワリアイト
そういう意味ではないよ。でもそうなるかもね。こう日本人が行かなくなっては。

【 外国人が練り歩くゆふいん 】

# いま日本国内でもっとも中国人、韓国人に出会える場所ともいえるぐらいにゆふいんの金鱗湖あたりには、同国人がいらっしゃいます。周辺の土産物屋は、けばけばしいカンバンにはハングルや中国語が書かれています。

カゼト
湯の坪街道の両サイドはお土産屋だらけだな。

ワリアイト
一大ショッピングゾーンだよ。行きたくない観光地の見本みたいだね。

カゼト
自撮り棒で自撮りしている中国人や一眼レフを首から下げた韓国人が集団で練り歩いている。

ワリアイト
日本人は少なそうだね。

カゼト
あのお土産屋ストリートはゆふいんには縁のうすい土産物が多いな。大分でくまモンが売られた。

ワリアイト
外国人には大分も熊本も同じなんだろう。

# くまモンは熊本のゆるキャラですが、由布市には「ゆーふー」というマスコットキャラクターがいます。頭の形はV字型となっているのは由布市の地形をイメージしているためです。

 由布市のHPによるとゆーふー氏は由布市役所宣伝部に勤務しており、氏をパッケージに起用したクッキーのパッケージ(商品名:ゆーふーと申します)には、うさぎっぽい謎の生き物と紹介されています。

 なお、ゆーふーの着ぐるみはしかるべき手続きを踏まえれば貸し出してくれます。ちなみに「ゆーふーと申します。」はゆふいんの道の駅で500円(税込)で販売されていました。

【 ゆーふー 】

■ 由布院
 桑野和泉さんは地元ゆふいんの顔となった時期が悪かっただけです。彼女がゆふいんの観光客数を減らしたわけではありませんが、とにかくゆふいんに人がやってこなくなりました。

 彼女が地元由布院温泉観光協会会長に就任した2007年の翌年、ゆふいんの観光客は前年より66万人減りました。彼女、43歳ごろのことでした。 映画館のないマチに映画祭を誘致したり、音楽祭や牛喰い絶叫大会などユニークな企画でゆふいんに人を呼んだりしたのは先代の話でした。 

ワリアイト
観光地をつくるのはやっぱり人間だね。

カゼト
観光地をダメにするのも人間ということか。

ワリアイト
そうだね。

カゼト
桑野さん、ゆふいんの立役者の娘ということでメディアに取り上げられるけど、観光客は減らし続けているけどな。

ワリアイト
ヨソは増やしてるけどね。

カゼト
あれだけ、社外取締役やら、●●委員やらになっていては、自身の旅館の経営や地元に観光客を誘導するヒマないだろう。

# 再度、ゆふいんはココにあります。

ワリアイト
しかし、ゆふいんにはどうやっていくんだよ。車以外だと。

カゼト
バスか鉄道。別府からもバスが出てて、あんがい便利。

ワリアイト
バスは1時間ちょっとで行けるみたいだね。別府とゆふいんの2大温泉地を結ぶ公共の交通機関だから使い勝手はいいと思うけど。

カゼト
鉄道にしろバスにしろ、行く人が多すぎて乗りあぶれる可能性がある。乗りそびれまいとして乗車口に中国人が殺到する。あの人たち行列に並ぶということを知らないから。

ワリアイト
ゲートに人が殺到するのは中国のよくある光景だしな。

【 大勢の人でにぎわうJRゆふいんの駅前 】

■ ゆふいん
 ゆふいんに鉄道で向うにはJR由布院駅で下車します。駅の表記は「由布院」と漢字で、駅舎には「ゆふいん駅」と平仮名で示してあります。 由布市には同駅以外に南由布駅、湯平駅、庄内駅、天神山駅、小野屋駅、鬼瀬駅、向之原駅と、7駅計全8駅あります。2005年10月の合併によって市域が広がったため、駅も多くなりました。  

 JR由布院駅は1日当たり1,167人の乗車があり、JR九州上位300駅のなかで144位にランクされています(*:平成28年度)。他の7駅はランキング外であり、JR九州では300位の駅が1日あたり323人の乗車となっているので、各駅はそれ以下であると考えられます。  

 JR九州の列車、駅舎のデザインとなると水戸岡鋭治先生が知られたところですが、由布院駅のデザインは磯崎新先生です。1990年竣工の駅舎は磯崎先生、60歳ごろの仕事になります。  

 この時期から水戸岡先生はJR九州との仕事が増えはじめるのですが、当時はまだ「出だし」の頃でもあり、40歳前半という若さもあったのか磯崎先生に分があったのではないでしょうか。ちなみに磯崎先生は地元大分出身です。  

 由布院駅は磯崎先生がデザインした駅舎に、水戸岡先生がデザインした特急列車:ゆふいんの森号が停車する豪華な駅となっています。それにしてもJR九州の当地への入れ込みは、ただらぬものを感じます。

* JR九州HP 駅別乗車人員上位300駅

カゼト
バスにしろ鉄道にしろ車内は日中韓の3カ国人で満員になる。政治的対立でもめる3カ国人が仲良く1箇所に集中するのは見られない光景。

ワリアイト
本当に仲良く?

カゼト
体がふれあうくらいにぎゅうぎゅうになってるがな。

ワリアイト
1日平均1万人訪れるとなると、そうなるだろうね。

カゼト
鉄道が大分駅から由布院駅までが走っている。路線では久大本線になる。大分駅からだと途中、大分大学の駅があって、学生の利用もあると、さらに満員になる。朝の通勤列車並みのなか観光地を行き来しないといけない。

ワリアイト
特急のゆふいんの森号がある。特急ゆふ号もある。

カゼト
中国語が飛び交う車両になる。ゆふいんの森号の車内はいい雰囲気だけど、マナーの悪い中国人のおかげでさっぱりだな。

ワリアイト
だれも乗車マナーまでは注意しない。JRもイヤな顔をする日本人乗客の顔をみてニッコリするだけだよ。

カゼト
自国人を大事にしないとそのうちいたい目にあうぞ。

■ 由布院
 特急:ゆふいんの森号の表記は

ゆふいんの森  

 とひらがなとなっています。ゆふいんの森号のデビュー時は当地はまだ市町村合併されておらず、湯布院町でした。湯布院町が町政施行で由布院町となるのはその前です。合併される湯平温泉のある湯平町への配慮もあったのでしょう。

由布院村
 ↓ 
由布院町
 ↓
湯布院町
 ↓
由布市  

 町名がコロコロ変わるのは、地域ブランド化を目指すマチにとっては難しくもします。当時は地域ブランドなる言葉もないと思われ、表記が変わるのことは気にならなかったのでしょう。

ワリアイト
しかし、なぜ表記がひらがななのかい?

カゼト
女子ねらいだな。

ワリアイト
外国人対策かも。

カゼト
それだと先見の明アリだな。

■ ゆふいん
 ゆふいんの森号の名付け親というか、湯布院?由布院?ゆふいん?の折衷案の提案者は、当時係長だった現JR九州会長の唐池恒二氏でした(*)。  

 氏の著作:鉄客商売ではゆふいんへの特急列車のネーミングはD社にお願いしたもののどうもしっくりしないため、氏が考えたとあります。前年に村上春樹氏の著作:ノルウェイの森が大ブレイクしたことも書かれていますが、そこからパクった、パクってないとも読み取れるような記述があります。

* 日本経済新聞社 20180804

【 ゆふいんの森号 】

ワリアイト
外国人頼りでは、いつも一見さんの呼び込みで儲からないよ。

カゼト
コンサルタントは観光地はリピーターを獲得しろっていうけどな。

ワリアイト
そりゃ、いうよ。人間、観光地には2度行かない。

カゼト
ブランド観光地は観光客数よりも観光消費額だよな。

ワリアイト
で、その消費額は?

カゼト
イマイチ。

# ゆふいんの観光消費額は公表されている統計を元にすると、2005年比で2018年は総額で2割減、一人あたり消費額では1割減となっています。2005年以降、ゆふいんを訪れる人は2007年に宿泊、日帰りあわせて471万人とピークをむかえますが、同年以降は減少傾向であり、観光消費額も前年を上回る年もありましたが全体的には減少傾向にあります。観光消費額も同じような傾向でピーク時の2007年は172.5億円でしたが、2017年は133.0億円となっています(*1)。 

 

観光消費額:万円

観光客数:人

@消費額:円

2017年 1330868.4 3860197 3447.7
2016年 1234186.3 3632543 3397.6
2015年 1513183.8 4110412 3681.3
2014年 3981366
2013年 1411477.7 3962271 3562.3
2012年 1370794.0 3888454 3525.3
2011年 1450344.8 3915113 3704.5
2010年 1365107.1 3863739 3533.1
2009年 1343868.8 3885654 3458.5
 2008年 1727064.2 4056699 4257.3
 2007年 1725697.5 4720880 3655.5
2006年 1727064.2 4604652 3750.7
2005年 1673559.2 4420869 3785.6

* 2014年の観光消費額は示されず。

カゼト
観光収入ってどうなんだ?

ワリアイト
いまいちだね。別府のほうがたくさん人が来る分、観光消費額も大きい。

カゼト
外国人も来るけどLLCでやってくる外国人なんて、ビンボー外国人だから買わないだろう。

ワリアイト
あの人たちは通過するだけだしな。

カゼト
それにしても物売り多いよ。

ワリアイト
客単価は下がってんじゃないか。

# ちなみに別府の日本人一人あたりの観光消費額は以下のとおりです(*:平成29年)。

宿泊客  24,446円

日帰り客   5,166円

 ゆふいんの日帰り、宿泊、日本人、外国人をひっくるめて算出した人間一人あたり観光消費額は3,447.7円、同じく別府は10,128.7円となり、ゆふいんはトリプルスコアで負けています。

* 平成29年別府市観光動態要覧

 

本編はここまで。以下次号

地域ブランドの罠#1 由布院  ① 

リサーチに協力していただい方々に感謝いたします。
一方、リサーチに協力していただけなかった方、次回ご協力にお願いいたします。

なお、当地の良し悪しは個人の判断にお任せします。ただ、人は似たような観光地には行きません。決して当地を真似ようとは思わないでください。日本じゅうの観光地が同質化してしまい、「どこも似たようなもんだろ」と先入観をもたれて、しまいにだれも観光をしなくなります。

 

 

訂正の連絡はこちら

 

【注意】
地図はグーグルより加工
価格・数量などは初回公開当時のもの
画像は下手上手関係なくローカライズド(LCD)
なお、取材日当日でないものもアリ
現地に赴く場合は、公式情報を確認されてから行くように

初回リリース:20190413

ここで紹介したことはすでに過去の情報となっていることを申し伝えておきます。

 

マチとの遭遇 九州編

 製作:ローカライズド(LCD)

■ メンバー
#1 風戸ケイキ(リサーチ)
#2 ワリアイト・リョウ(リサーチ)
#3 タシロ(プレス)

 旅とカットソーシリーズ 2019

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