マチとの遭遇 九州編

50歳(O-50)からの地域活性化

【ガイド】JR白石駅への旅:熊本県葦北郡芦北町

2019年10月14日 08:51 by keiki-kazeto
2019年10月14日 08:51 by keiki-kazeto

芦北町。旅は目的地への到着よりも目的地に到着するまでの過程が楽しいものです。2時間に1本停車するかしないかの駅への旅を「旅」をいえるかどうかわかりませんが、本号ではマニアックな旅として紹介しています。

 なお、お送りするのは九州を中心に活動する地域活性化ユニット:ローカライズド(LCD)です。ちなみに芦北町など関係各社からの依頼を受けての紹介ではありませんのであしからず。

 

 

〓 国内旅行会社:マニアックツーリストからのリサーチ依頼があった。同社は肥薩線が人気らしいという情報を得たようで、そのなかでもっともマニアックなところを紹介してほしいという依頼であった。  

旅 退屈 孤独を求める人に

移動こそ旅 
旅とは移動すること也
できれば一人で行くべし

製作:ローカライズド(LCD)

熊本にあるJR白石駅(熊本県葦北郡芦北町)への旅(移動とも)
よみ:じぇいあーるしろいしえき(くまもとけんあしきたぐんあしきたまち)

 

【 JR白石駅 】

〓 依頼の成果物はテキストであり、SNS的なテイストな仕上げにしてほしいとあった。例によって依頼の報酬は取りかかる前に入金されたので、いまいち先方がなにを求めているかわからないもののとりかかることにした。

  • 依頼先
     マニアックツーリスト
  • 依頼内容(場所)
     肥薩線でマニアックな場所
  • 依頼内容(仕上)
     SNS風に

〓 ローカライズド(LCD)は、熊本県葦北郡芦北町にあるJR白石駅までの旅程を紹介することにし、それをSNS的なテイストなテキストにした。なお、ここに掲載されているテキストは依頼先のマニアックツーリスト提出の最終1歩前テキストをお見せした。

― 目的地 JR白石駅(熊本)―

# JR白石駅に止まる列車は1日に上下13本ずつの無人駅。それでも九州のなかでは多いほうです。退屈な旅のなかでもミドルクラスな旅といえます。今回、鉄道の駅に行くが鉄道では行きません。ちなみに国内には北海道と宮城県にも同名他駅があります。ウィキペディアによるJR白石駅の紹介

■ 人吉まで  

 日曜日の出発。しかも朝早い時間に。梅雨があけそうな時期でもある。ムシ暑いがちょっと涼しい。この時期は夏休みにはいっておらず、行く先々でコドモの集団に遭遇することもない。

 今回の場所は場所だけに、他国人も少ないはずとみた。ただし同国人も少ないようだが。

 退屈は約束された

 とみた。自宅近くのコンビニで本日の昼メシを調達しておく。

 地元を”感じる”ためには、現場もしくは現場近くでの調達が好ましい。事実、そうしているが、グーグルで検索すると飲食店もコンビニもなく、単純に食料の調達はむずかしそうな場所であるため事前に調達しておく。

 それにしてもなぜ退屈を求めるのか?それは日々忙しいからか?観光地を歩いているヤツラもつまらそうな顔しているが、どうなんだ。

■ 人吉まで

 ひきつづきグーグルで検索。目的地のJR白石駅の最寄コンビニは車で20分のところにある。

 今回はバスでの移動。昼メシは事前調達となった。

 コンビニエンスストアが国内全国津々浦々までひろがるも、食料の調達に困る場所への訪問とは期待と不安でいっぱいである。

● JR白石駅までの旅程

  • 高速バスの部

出発:西鉄天神高速バスターミナル 乗車
↓ @高速バス:西鉄他 フェニックス号 
人吉インターチェンジ:一旦下車 

 ↓ 徒歩(一部タクシー)

  • 路線バスの部

経由地:人吉駅 乗車
↓ @路線バス:九州産交 石水寺入口(普通)
乗り継ぎ地:石水寺入口
↓   @路線バス:九州産交 神瀬福祉センター(普通))

目的地到着:白石駅入口  到着後 引き返す

# JR白石駅はトリップアドバイザーでも紹介されており、そこでは4.5ポイントの評価を得ています。芦北町の観光スポット17件中5位です。ただし口コミ件数4件での評価になります(2018年11月現在)。

【 目的地:JR白石駅 】

 ■ 人吉まで   

 天神(@福岡市)の西鉄天神高速バスターミナルまでバスで行く。

 今回は九州のバスが乗り放題になるSUNQパスで行くことに。  

 同バスターミナルまで自宅から歩いてでも行ける距離だが3日間のフリーパスなので短くてもバスに乗る。

 なんといっても乗り放題。荷物も重くなったし、できるだけ乗っておくにかぎる。

 出かける先は空港、駅、ビル街などの路面が平面的な場所ではないことからキャスター付きのスーツケースではかえって不便なため、ボンサック形のバックで出かける。

 スーツケースとちがって、肩からかけられたり片手で運べたりできるうえに白のキャンバス地が、出張ではなく

「旅」な気分

 がして気に入っている。“相棒”と呼べるとほど長年使っている。これで高級なリゾートにも行き、離島の民宿にも行く。

 【 SUNQパス 】 ©SUNQパス運営委員会

■ 人吉まで 

 このバックをからっていると、たまに女性から

「おしゃれですね」

 と、声をかけられることがあり、いい気分になり旅モードががぜん高まる。旅に出るときこそ外見に気を使うべき。  

 一度クリーニングにだそうとしたら、店のおばさんから一部革をつかっているので「できない」とやんわりお断りされ、この程度の汚れでクリーニングに出す人はいませんよといわれ、購入以来そのままにしている。

 そういったこともあって汚れたままの相棒だ。20年近く使っているがキャンバス地はタフなようで破れない。
  ハイテクのドイツ製スーツケースはさっさと壊れて3度も買い換えたほど。たのもしいタフな相棒でもある。ただし鍵がないので心配が必要な相棒でもある。

# 白石駅に行く前の経由地として八代あるいは人吉があります。八代から最終目的地のJR白石駅行きの路線バスはないため人吉まで行けますー。つまり、

八代からは行けないが、人吉からは行ける(ただしバスね。)

 ということです。

 福岡市のJR博多駅からJR人吉駅まで新幹線と在来線を乗り継げば2時間30分ほどですが(*1)、今回はバスを乗り継いでの移動です。高速バスでは運行種別によって、出発地の天神福岡から到着地の人吉まで3時間弱となります。八代から先は山深い場所なので、冬季は降雪により不通になることもたまにあり、 南国九州といえども山の高いところでは雪が降ります。

*1 ダイヤによってはこのかぎりではない

福岡ー八代ー人吉の位置関係

【 八代からは行けず、人吉からは行ける 】

■ スターバックスにて  

 朝メシは家ではなく、バスターミナルにはスターバックスがあるのでそこで朝メシとした。

 いつものように本日のコーヒーとテリヤキサンドイッチ。ガラス張りになっているので、乗車するバスを見張っておける。

 関係ないがスタバでは「本日のコーヒー」以外のコーヒーを頼んだことがない。レジ前でまごつくのも始末が悪く、50歳前の自分にはなにがおいしいのかわからない。それ以上になにを頼んでいいのかわからない。  

 朝メシ調達スポットがターミナル内にスタバとローソン以外ないのが残念。どちらも営業は朝7時から、しかも厳格に7時から開けるのでちょっと前に行っても買うことができない。

 ローソンは調達のみで、人目を気にしながらロビー内で、もしくはバス内での飲食となる。

【 西鉄天神高速バスターミナル内 】

■ スターバックスにて

 街中のわりには(それとも街中だからか)、こちらの都合がいいようにコンビニがない。  

 ターミナルにトイレが少ないのも気になる。男性用(小)は3つ、が女性用のトイレはなんだか立派なよう。チラッと見た。ビジネスを考えるとそうなるのか。

 それでも朝のバスターミナルの気ぜわしさがいい。なんとなくざわついているところが好き。

■ 人吉まで  

 バス到着。西鉄天神高速バスターミナルを定刻どおり発車(7:47)。

 予約制なので事前にどの座席に乗るかがわかっていて安心。長距離のバス移動では予約するなどして座席の確保は必須だが、座席によっては移動を快適にも不快にもする。

 予約時ですでに1列目は購入されており、仕方なく2列目シングルシートを購入。3列シートのシングルシートのため気兼ねは不要。

 だからといってニオイのするものも食べない、持ち込まない(ただし帰りは焼酎が入るのでこの限りではない)。

 バスの座席には鉄道にはない快適さがある。

 ゆったりしたスペースで背もたれも適度に倒れるので快適。前の人が倒さなければ、なお快適。鉄道とはちがう気分で移動できる。

● JR白石駅までの旅程:高速バスの部

乗車:西鉄天神高速バスターミナル (6のりば) 07:47.博多バスターミナル3F (36のりば) 08:05. 呉服町大島眼科 (三号線県庁九大方面) 08:11.高速基山 (高速・熊本方向) 08:35.人吉IC (上下共通) 10:32 降車 @3910円 

■ 人吉まで

 バスばかり乗っていると心配になることがある。

 JR九州はローカル線を軒並み廃止しようと画策しており、さっさと乗っておかないと乗ることなく人生を終えるローカル線もある。

 廃止それとも人生の終わり

 どちらが早いだろうか。いずれにしても移動手段は複数あるのがいい。  

 沿線自治体ではJR九州株を買って、路線廃止・阻止に動いているようだが延命措置にしかならないだろう。人口が増えることはあるまい。

 赤字路線を維持しているようでは株価を上がりそうはない。こういった配当や値上益をハナから期待していない株主は、反社会派勢力よりもタチが悪いのでは?

■ 人吉まで

 福岡天神バスターミナルを出て、博多駅のバスターミナルへ向う。このバスターミナルは西鉄がもっとも出資しているからか、西鉄のバスが大手をふってウロウロしている。

 同ターミナルの名称は博多バスターミナルだが、西鉄博多駅バスターミナルではないかと思えるほどだ。

 ターミナル内を西鉄の路線バスでごったがえすなか、段車高の高い九州各社の高速バスがせまくて暗い通路を行く。

 よく壁をこすらないものだなと感心する。  

 博多バスターミナルで自席の前である一列目の購入者が乗車してきた。30代前後の女性だ。不機嫌そうに乗ってきてカーテンをシャーと乱暴に閉めて、背もたれをどんと倒した。急に自分のスペースがせまくなった。

 カーテンも閉めたので視界も同時に狭くなった、やや不快。

輸送人員からみる西鉄のポジション(*1:平成29年度)

企業名 輸送人員数
東武 92,048
西武 65,865
京成 28,692
京王 67,024
小田急 75,532
東急 117,865
京急 47,685
東京メトロ 270,906
相鉄 23,173
名鉄 38,687
近鉄 57,837
南海 23,847
京阪 29,440
阪急 65,494
阪神 24,164
西鉄 10,342

単位:万人(定期・定期外)

 西鉄は九州にあって非三大都市圏の私鉄だが、大手私鉄企業の仲間に入る。大手民鉄16社のなかで輸送人員が最も少なく、あわせて売上や利益なども小さい。

 九州ではブイブイいわせているが、全国の私鉄企業とくらべると、たいしたことない。

 輸送人員は地下鉄の東京メトロとは業態をは異なるのでくらべようがないが、同業の東急とくらべると1/10だ。ブービーあたりの相鉄や南海とくらべてもその半分だ。

*1 (一社)日本民営鉄道協会

【 博多バスターミナル 】

■ 人吉まで   

 博多バスターミナルを出る。ここは物販店なども多く、駅ビル化しているが、失敗商業施設のようでもある。

 しまむらやダイソーに悪いが、テナントが残念だ。ロケーションはいいはずなのだが。その証拠に貸し会議室はたいてい埋まっている。

 しばらくオフィス街のビルを左右にながめ、通勤で常日頃みるシーンでつまらないと思っていたら都市高速に乗ってスピードが上がる。

 左手に福岡空港、飛行機が飛び立つ。フクオカはマチの中心地から空港までが近い。

 自身は九州内をバスや鉄道での移動が多いためそのメリットを受けることはない。

 離島に渡る以外で九州内の移動に飛行機とはゼイタクだ。300キロ未満の移動だと、陸路で十分だ。飛行機は移動の楽しみを奪うことになり、自分はそれほど利用しない。決してケチっているわけではない。

【 オフィス街 】

■ 人吉まで

 東京への出張の多いワイフは、飛行機を当たり前のように利用しており、ラウンジなるセレブ空間で満喫しているようだ。

 自分もそのラウンジとやらに行きたいが、残念ながら行けずにいる。 北熊本サービスエリアで15分間の休憩がある。お客はゾロゾロ降りてトイレに行く。自分も行く。

 高速道路にはラウンジはないが、サービスエリアがある。NEXCOが無料で提供するお茶はおいしいと思うが、ヨソの人はどうだろうか。緑茶以外にもほしいとお客様の意見があるようだが、緑茶だけで十分と思うがどうだろうか。

 車内にもトイレがあるが、せまい空間にとじこめられて用を足すのは少々困難がともなう。ただ、トイレがあるのとないのでは気の持ちようがちがう。  

 サービスエリアでは地域の名物が販売されているので、当然のように買う。地域の名物だが、必ずしも地元の会社の製造でないこともあるが、それでも買う。

【 このカップでお茶をいただく 】

■ 人吉まで

 こういうところに来ると、財布を出してなにか買わないといけない性分は大人になってもなおらなかった。

 買ったものは以下のもの(値段忘れた)

  •  熊本いきなり団子    1ヶ
  •  大阿蘇鶏塩だれ唐揚げ  1パック  

 いきなり団子は地元熊本の名物、買ったばかりではアツアツのため口に入れてはヤケドするので、しばらく車内の窓のさんに置いておいた。

■ 人吉まで

 商品名にわざわざ「熊本」をつけることはなかろうと思ったのだが、ここは高速道路のサービスエリア、地元ネイティブ以外が多く訪れる場所なので、そうしているのだろろう。

 文字でヨソに来たということを示せる。

 唐揚げに阿蘇も東京もないだろうが、「大阿蘇」とある。 この唐揚のどのあたりが阿蘇なのかたずねたかったが忙しそうに揚げたり、接客したりしているので、やめておいた。

 地域ブランドに関わる仕事をいているだけにこの点は気になる。職業病か。たんに迷惑なおじさんか。  

 レシートをみると「九州産交リテール株式会社」とある。地元熊本のバス会社のグループ企業である。さらにはエイチ・アイ・エスの傘下でもある。

 同社によるハウステンボスの救済もあり、九州はなにかとエイチ・アイ・エスのお世話になっているが、お世話になるということはサービスエリアでいきなり団子を売る事態にもなるようだ。もっとも販売しているのは、同社の人ではなさそうだが。

 地元の産品は地元の人が売ってほしい。産品にふるさと感が入る。ヨソ者ではそれがない。

【 北熊本サービスエリアの位置 】

■ 人吉まで   

 15分の休憩が終了して再度走り出す。次の下車バス停での乗り継ぎの時間がせまっていることに気になったが、遅れることを見込んで旅程を計画したので、まだ余裕はある。冷ましたいきなり団子を食す。  

 八代(やつしろ)インターを越えたあたりから山深い高速道路となった。

 山深いところでも人家がポツポツとあり、道路には車やトラックの往来がある。

 トンネルを出たり入ったりの繰り返しで車窓からの風景は、いまいちおもしろくない。乗客もそのせいかうなだれたように眠っている。

 バス車内後方はシングルシートでなく2人席もある。2席を占領して座席の座面を下に車内の防寒用ブランケットにくるまるように寝ている若い女性もいる。
 体の柔らかさがなせるワザか。

■ 人吉インターチェンジ着  

 15分遅れで到着した。高速バスのバス停の裏手が路線バスのバス停となっている。

 バス停名では人吉インターチェンジと人吉インターチェンジ乗降口と分かれている。

 バス停の向こうにケンタッキーフライドチキンの店舗がある。山林の木々つづきだったところに日常に戻された気がした。バス停にはこれから高速バスに乗る人が待っている。

 それとは別に下車客のタクシー乗車を期待してタクシーが客待ちしている。海が遠く盆地なのか蒸し暑い。

 乗り継ぎとなる路線バスらしきバスがやってきたが、このバスに乗っていいものかどうかわからず乗らずにいた。

【 人吉インターチェンジ着 】 

■ 人吉にて

 後からするとこのバスでよかったようだ。目当てのバスの発車時間はこれしかなく、これ以外に別のバスが来るのだろうと考えていた自分がバカだった。

 それにしても教えてくれてもいいものではないか。ちょっと人吉が嫌いになった。

 乗り継ぐバスは発車してしまい、いつしか客待ちしていたタクシーもいなくなってしまい、次のバスは1時間後にせまっているため次の目的地の人吉駅まで歩くことにした。

 タクシーでも拾えればと思ったが車は走っているもののタクシーは走っておらず、運よく停車中のタクシーを見つけて窓をコンコンとたたいたが、車内からダメのサインが出された。人吉はオレに冷たい。

■ 人吉にて

 引き続き歩くことに。スマートフォンのGPSで行き先を確認するが作動しない。

 こんなときにワイフから「どこおると」とLINE(文字)が来た。信号待ちしている自転車のおばさんにたずね、「あっちだと思う、あの辺に来たらあの辺で聞いてくれ」とやさしいのか冷たいのかわからないが、指示通り従う。

 次のバスの時間もあるので、気が気でなくなってきた。歩きつづけているとタクシー会社を見つけた。配車係のおばさんにタクシーを呼んでもらって乗車する。

 こっちはあせっているのだが、あちらはノンビリ。 「間に合いますかね?」と運転者さんにたずねると「間に合う」とのこと。発車したいのだが、道路幅がせまくすぐには折れることができず、何度も切り返す。

 「間に合うのか?」とあせるも1メーターで着くような場所から乗ったようですぐに着いた。運転手さんには気の毒なことをした。ワイフから「お土産期待」のLINE(文字)。

【 JR人吉駅 】

【 JR人吉駅 】 

■ 人吉駅から  

 おおあせりするも駅のロッカーに荷物を預けられるほどの時間はあった。

 駅前、こぎれいに整備されて、ややローカル感欠如。

 乗車予定のバスが到着。乗ろうとするも運転手さん、「違う違う、次の」と。

 このバスはここが終着であり回送となって営業所に戻る模様。“次の”が着たので“次の”に乗る。マイクロバスのような路線バス、下車先までの乗車時間は65分、この間、誰も乗って来ず。

 運転手さんいわく「平日はよく乗るんですがね」と。

● 人吉駅到着後からの旅程(ダイジェスト)   

 乗車バス停:人吉駅~経由バス停:石水寺入口~下車バス停:白石駅入口 だいたい60分 

 

● 人吉駅から白石駅までの旅程:路線バスの部

乗車:人吉駅前 11:22 . 中青井町 11:23 . 人吉橋 11:24 . 人吉市立第一中学校前 11:25 . 新町(人吉) 11:26 . 札の辻夫婦恵比寿神社前 11:27 . 西九日町 11:28 . 人吉郵便局前 11:28 . 中青井町 11:29 . 青井神社裏(新) 11:30 . 人吉産交 11:32 . 薩摩瀬通り 11:35 . 下城本 11:35 . カルチャーパレス前 11:36 . ニシムタ前 11:37 . 下林 11:38 . 中林 11:39 . 下原田 11:40 . 西人吉駅前 11:41 . 瓜生田 11:41 . 石水寺入口 11:42 一旦降車 @270円

ひきつづき乗車 石水寺入口 11:47 乗車バス停 . 球磨村総合運動公園前 11:48 . 地下 11:49 . 渡駅前 11:50 . 渡小学校前 11:51 . 舟戸(219号) 11:52 . 椎屋入口 11:53 . 馬場(一勝地) 11:56 . 球磨村診療所前 11:59 . 一勝地駅 12:00 . 一勝地駅前 12:01 . 中園 12:02 . 球磨村役場 12:03 . 田頭 12:04 . 向淋 12:07 . 小谷 12:08 . 松本 12:10 . 球泉洞前 12:16 . 大瀬 12:18 . 大野大橋 12:19 . 蔀 12:21 . 岩戸 12:22 . 白石駅入口 12:24 降車 @100円

【 こういったバスに乗る 】

■ 往路  

 バスは人吉駅前をグルグル回っている模様。球磨川を越えたと思ったら折れ曲がってまた球磨川を越えた。

 球磨焼酎の土地か、焼酎の蔵元や看板が目立つ。

 日曜日だがらか往来は人が少ない。これだけをみると、地方の人口の減少ぶりがよくわかる。  

 バスは駅前中心地から離れていっている模様。それでも駅から離れた感がない。スーパーマーケットの閉鎖店舗の近くに同業他社の大型スーパーマーケットアリ。ライバルにつぶされたようだ。

 スーパーの閉鎖は経営力か、それとも人口動態の変化か気になる。 どちらも経営母体は地元人吉資本ではないが、九州という点では同じ。

 同郷人同士、戦わないという手はなかったものだろうか。同士討ちでは九州の経済力を削ぐ。

■ 往路 

 沿道にはドラッグストア、家電量販店、携帯電話ショップ、カー用品専門店、ファミレス、ファストフード、補正下着ショップありと生活に不自由はなさそう。

 こんなところでも補正下着はニーズがあるのか?それともマーケティングをミスったのか?  

 ひとまず石水寺入口(せきすいじいりぐち)に到着。ここで2分の停車。石水寺は地元では名刹だが、同寺の名前が付いたバス停は球磨川のラフティングの拠点となっており、和の風情はまったくない。

 人吉を走りぬける人吉街道といわれる国道219号線はトラックが多く行き交う。ここまでは人吉市。

【 球磨川 】

■ 往路  

 バスの運転手さん、「寒くなか?」とこちらに気を使ってくれている。お客は自分のみ。

 新たに乗ってくるお客はいないが、車内アナウンスは自動音声でバス停ごとにされる。 白石駅入口まで行くと伝えたのだが、車内アナウンスはやむことなく走る。

 石水寺入口では再度、整理券をとらされる。 一番前の座席で球磨川、道路、球磨川の向こう岸と車窓からながめるのにいそがしい。

 対岸は肥薩線が走っており、蒸気機関車が黒いケムリをはきながら走っているのを目撃した。タイムスリップしたわけではないが、さして違和感はない。 普通の列車も目撃した。

 ああいうのは乗って楽しむのではなく、見て楽しむものだ。乗りたいとはさっぱり思わない。

【 球磨川沿いを走る肥薩線 】

■ 往路 

 知り合いのコルニ君から「お土産は団子系がいい」とLINE(文字)が来る。外国人のクセして団子とは。しかも団子系とはなんだ?

 眼下の川くだりを見下ろす。そろ~りと川面をいくような感じで、同地のライフティング会社のHPにあるようにはげしくない。ネットの報道では事故になるほどにワイルドなシーンが伝えられているが、リアルではのんびりしている。

 あれははげしくなるのか? 高いほうから見下ろすためヘルメットをかぶった一群が、派手なゴムボードに吸い付いているだけのようにもみえる。

 HPの画像とはずいぶんとちがうようだが、いずれにしてもアレには乗ろうと思わない。

【 バス停:白石駅入口 】

■ JR白石駅

 目的地のJR白石駅(しろいしえき)に着く(12:24)。

 西鉄天神高速ターミナル発の8時前のバスに乗って約4時間後にたどりついた。単に移動を楽しんだ。

 橋がしぶい。古さと周辺の風景もあって、風景と一体化した橋にもみえる。水面から垂直に立ち上がる6本の橋脚が絵になる。

【 神瀬橋(こうのせはし) 】

■ JR白石駅 

 バスは自分を降ろすとまた橋を渡って対岸のバス路線に戻っていった。白石駅のために架橋されたようでもある。

 戻っていくバスの後姿に哀愁をそそる。あのバスにはお客はいない。

 聞こえる音は対岸の道路を行く車のエンジン音と鳥のさえずり。木々が音を吸収するのか静かだ。

【 JR白石駅駅舎① 】

【 JR白石駅駅舎② 】

【 JR白石駅駅舎③ 】

【 JR白石駅駅舎④ 】

【 JR白石駅駅舎⑤ 】

【 JR白石駅駅舎⑥ 】

【 線路、向こうは人吉方面 】

■ JR白石駅 

 昭和感全開の木造駅。駅入口の筒型の赤い郵便ポストがそれを際立たせている。

 利用者は少なさそうだが、まったくないわけでもなく、橋の向こうから車がやってきて、車から女子高校生と思われるヤングが一人降りてきた。

 車は来た道を戻り彼女は駅舎に入り、12時53分発車の列車に乗っていった。ここでの乗客は彼女一人。  

 こんなところから誰が乗るのだろうかと思いきや、駅には利用の気配がある。事実、乗車したヤングがいた。 駅舎はこのあたりの住民有志の気遣いで清掃されている模様。プライドのある集落だ。

 上下でだいたい2時間に1本、列車が走りぬける。なお電化していないので「電車」ではない。

【 やってくる車両 】

■ JR白石駅  

 駅舎に身を置く。陽も入らず暗く、季節柄ジメッとしている。駅舎のコンクリートのたたきが山中にある駅舎気分を高める。

 長いすに腰かけ、その場所でコンビニ調達のオニギリを食す。コンビニが見当たらないところでコンビニのオニギリを食べるのは変な気分だ。 途中パーキングエリアで買った唐揚げも食す。これらがなければ昼メシヌキとなるところだった。

 ためしに最寄りコンビニは、どこにあるかとスマートフォンで調べるも電波が届かないためわからず。

 IT革命で全国津々浦々に通信環境が整備されると聞いた。

 で、情報が難なく得られるということだったが、このあたりはまだ山深いせいかIT革命は来ていないようだ。電波と同時に革命の到着を待ちたい。

 駅周辺のなにもなさを満喫してJR白石駅を後にする。

【 神瀬橋① 】 

【 神瀬橋② 】

 【 神瀬橋のポジション 】

■ 復路 

 持参した昼メシと昭和モードを堪能したところで帰りのバスが来た。

 このバスに乗りそびれると人吉に戻る次のバスは2時間後になるので、運転手さんにわかるように目立つところに立つ。

 停車と同時にすぐに乗り込む。お客はおらず、運転手さんは「また、この男か」という顔もせず発車。 運転手さんは同じ人。来た道を戻るだけの安心感から不覚にも寝てしまった。

■ 復路   

 かなり乗ったところで目が覚めた。乗り継ぎ場所となる石水寺入口では、またしても整理券をとる。2分間の停車後発車。運転手さんは一人だけのお客(自分)に話しかけることなく、もくもくと運転。  

 人吉産交のバス停で停車はそこそこにソロっと動き出した。

 地元ネイティブと思われるおじいさんが、運転席の運転手さんに「このへんでうなぎ屋があるときいたんですが、知らんですか?」と、バスの外からたずねる。街中ではありえない行動。

 道中にそういった店を見かけた気もしたが、運転手さんは「知らない」とつれなく返事。人吉駅前をグルグル走っていると人吉駅に到着、そこで下車。

 路線バスは走り去っていった。JR白石駅から1時間ほどの復路、ほぼ定刻通り到着(14:11)。目的は果たす。

【 JR人吉駅前周辺 】

 

■ 感想  

退屈が満喫できるバス路線だった。天気が良くて何よりでした。 

● これにてJR白石駅までの旅は終了。この後、人吉のマチに宿泊し別の土地に向かう。旅は続く、終えずに続ける。続けられるように日々研鑽。

■ 参考(とならない)資料

 るるぶ阿蘇熊本人吉 などの旅行ガイドの類

 

リサーチに協力していただい方々に感謝いたします。
一方、リサーチに協力していただけなかった方、次回ご協力にお願いいたします。

 

本号はここまで

【ガイド】 JR白石駅:熊本県葦北郡芦北町

 

訂正の連絡はこちら

 

【注意】
地図はグーグルより加工
価格・数量などは初回公開当時のもの
画像は下手上手関係なくローカライズド(LCD)
なお、取材日当日でないものもアリ
現地に赴く場合は、公式情報を確認されてから行くように

初回リリース:20181013

ここで紹介したことはすでに過去の情報となっていることを申し伝えておきます。

 

マチとの遭遇 九州編
#オールラウンド九州(ARQ)

 製作:ローカライズド(LCD)

■ メンバー
#1 風戸ケイキ(リサーチ)
#2 ワリアイト・リョウ(リサーチ)
#3 タシロ(プレス)

 旅とカットソーシリーズ 2018

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