就活しない学生さんにもおすすめする企業情報 JR九州 マイナビ 就職希望企業調査 ANA ソニー オハヨー乳業 カバヤ食品 三大都市圏 安川電機 ファナック JR三島会社 東京メトロ 九州電力 キューデン・グッドライフ ふくおかフィナンシャルグループ 西日本シティ銀行 アイ・ケイ・ケイ 西鉄 レベルファイブ ばってん荒川 GFF 総合メディカル スターフライヤー 三和酒類 ファミリーレストラン ジョイフル 西日本電線 一風堂 #退屈なマチであっても、ヨソ者からすればサプライズの連続です。
― 九州 ―
そういったわけで今回は九州の人気企業です。ビジネス経験はないにしてもヤングの目鼻は利きます。企業といえども九州を形作るブランドアイテムでもあり、九州をフランチャイズとするローカライズド(LCD)としてもリサーチする必要は十分あると考え、その結果をお伝えいたします(なお、だれからも依頼はない)。ちなみに、企業名の後に記載されている%は、直近の連結ベースの売上高営業利益率です。
本号は2017年(H29)に就職活動をする学生さんをターゲットにしている。
■ 人気企業in九州 1
九州の場合、JR九州(15.3%:2017年3月期)がナンバー1。2018年3月に卒業予定の大学生・大学院生を対象にした日経と就職情報大手のマイナビによる就職希望企業調査によると、九州・沖縄エリアのトップは同社であった。
なお、国内総合1位は、文系はANA(8.2%)、理系はソニー(3.8%)となっている。ちなみに総合ランキングの50位以内に文系理系ともに九州企業はない。国内総合ランキングに地方企業(非三大都市圏)のエントリーはないわけではないが、
理系総合で15位:オハヨー乳業(未公開)
同じく理系28位のカバヤ食品(未公開)
2社のみがある程度。岡山県、しかも2社というのは、調査に作為があるのでは?といぶかしく思えるのは、地方をフランチャイズにしているローカライズド(LCD)のやっかみか?
【 日経新聞20170426 】
■ 人気企業in九州 2
おめでとうJR九州とひとまず言っておく。こういったランキングとくに総合となると、東京および三大都市圏に本社を置く大企業もしくは知られた企業がランクインして、地方企業はほぼ見当たらない。
地方企業が少しでもランクインするようにという配慮か、理系女子、理系院生など細かくカテゴリー化してランクインしている。細分化して業種別になると地方企業もチラホラ顔を出す。
国内総合の業種別の電子・電気機器部門では9位に安川電機(7.7%)、しかもライバルのファナック(28.5%)を抑えてのランクイン。ファナックのほうが人気と知名度、給料も高いと思われるが、学生さんは安川電機を選んだということだ。
ただ、票が割れた上に集中したという見方もでき、九州・沖縄の理系学生さん票がまとまったのかもしれない。
【 安川電機 】©安川電機
■ 人気企業in九州 3
それでもJR九州は九州エリアではトップだ。あくまでも「九州では」だが。国内総合になるとJRは
- JR東日本(16.1%)
- JR東海 (33.3%)
- JR西日本(12.2%)
とJR三島会社ではなく、稼ぎの良い“JR三頭”会社がしっかり50以内にランクインしている。
JR九州は地方ではエリアナンバー1でもナショナルクラスになると100位にも入らず、鉄道・航空・運輸・物流の業種別カテゴリーでやっと8位にランクインできているほど。なお、同カテゴリーの7位は東京メトロ(24.3%)であり、九州のJRは地下鉄に負けている。
九州という地理的ハンデかもしれないがJR九州も上場したので今後に期待しよう。
【 JR九州の本社前 】
■ 人気企業in九州 4
似たようなところで電力・ガス・エネルギーの業種別では、九州電力(6.5%)は4位にランクインしている。
電力会社ほど立地以外で差別化できる要素はなく、そのなかでの4位はよくやったほうではないだろうか。しかし、国内の○○電力とつく会社は、総合ランキングにも入っておらず原発で嫌気されたのかもしれない。そのあたりはヤングだけにハナがきいているのかも。
地元ネイティブは「きゅうでん」と略されて呼び、九州外の人がそれを耳にすると
宮殿
と、勘違いするようだ。体質的に宮殿のようでもあるのであながち間違いではない。それにしても九電が運営するお金持ちあるいは九電OBがこぞって入るとされる老人ホーム:キューデン・グッドライフは”宮殿グッドライフ”としたほうがよいと思える。
【 九電本社ビル 】
■ 人気企業in九州 5
とはいっても他の地方ではトップにJRはない。九州だけの特異現象かもしれないが、就職したい企業のランキングトップに銀行がくるようでは、ヤングも保守化の傾向が見られるといえる。
少々おもしろみがない。ただ、九州でも5位にふくおかフィナンシャルグループ(29.7%)、8位に西日本シティ銀行(西日本フィナンシャルグループ)(21.9%)とヤングに選ばれている。なお、画像はともに各銀行シンボル的本店。
三大都市圏はナショナルクラスの企業が多くランクインしておりローカリティーに欠けるが、非三大都市圏地方の企業は反対にあふれる。なかでも九州は非三大都市圏地方のなかでもローカリティーが強い。やはり九州は濃いのか?
【 福岡銀行 】
【 西日本シティ銀行 】
■ 人気企業in九州 6
2位にアイ・ケイ・ケイ(12.1%)がランクイン。冠婚葬祭業といえばそれまでだが、ブライダルサービス関連企業の同社の本社は伊万里であり、伊万里の企業が九州2位とは“よくやった感”十分といえる。しかし、実質の本社は福岡にあり、結婚が近いヤングには選ばれやすい企業なのかもしれない。
同社も東証一部企業であり、イナカにあっても上場できるということを示してもいる。ただ、東京のニオイあふれる同業のテイクアンドギヴ・ニーズ(4.1%)と、同業だけに似てなくもないようにも思える。
そのちがいがわからないようでは年寄りといわれてもしかたないが、あちらのほうが垢抜けていると、年寄りでも感じる。
会社のトップはあちらのほうがカッコよさそうだが、営業利益率が高いのはこっちのほうだ。
【 アイ・ケイ・ケイの運営する施設 】
■ 人気企業in九州 7
3位に西鉄(5.4%)がランクイン。JR九州には及ばないのはわかるが、西鉄は国内大手私鉄のメンバー入りする企業である。過去にはプロ野球チームも持っていた。
西鉄以外の大手私鉄企業は三大都市圏に本社があり、九州に本社を置く同社の存在は特異といえる。
大手私鉄といっても同社は本業の鉄道収入では最下位に甘んじてしまうのは、沿線人口の少なさゆえか。
【 西鉄の電車 】
■ 人気企業in九州 8
同列3位で安川電機。同社については先ほど説明したので、ここでは補足。
九州には研究開発拠点はそう多くなく、組み立てばかりの付加価値の低い製造業が多い土地とみなされているようだが、ここ数年の同社の売上高研究開発費比率は3%台であり、直近の決算では4%を超えている。なお、ファナックは4%台を超えて直近の決算では5%を超えた(*1)。
この差は物価のちがいか? それともやはりのんびりな土地柄のせいか?
*1 両社ともに決算書報告書より
■ 人気企業in九州 9
6位にレベルファイブ(非公開)。クリエイティブ不毛の地:九州と思われがちだが、妖怪ウオッチなどのコンテンツをもつ企業が福岡市にある。
ゲームコンテンツをクリエイト+プロデュースする会社だけに“ヤング推し”になるのは当然かもしれない。
ヨソの地方は金融機関、大手製造業などのオールドエコノミー企業の名がランクインするのに対して、ゲームコンテンツの会社がランクインする九州は特異状況といえる。もしかしたら九州はクリエイティブな土地柄かもしれない。
ばってん荒川(享年69歳)
ローカライズド(LCD)がパッと思いついた九州のクリエイティブ人物だが、少々ちがったか?
もっとも福岡市はゲーム産業都市として、産業振興を図っている。ただ、GFFだとかいっていた盛り上がり当初はゲーム会社の社長たちは若さも手伝ってカリスマ感十分だったが、時間の経過とともに薄れてみえるのは“加齢惜し”か。
【 レベルファイブが入居するビル 】
■ 人気企業in九州 10
9位に総合メディカル(5.1%)。ヤングにしてはシブい選択といえ、同社も東証一部上場企業でもあり、手堅い選択ともいえる。
同社を選ぶとはしっかり企業研究しているといえもするが、ヤングならチャレンジしてほしいところだ。
「最近の若者は・・・」というオヤジ定番のヤングへの嘆き節がある一方、賢いヤングもいるということだ。ただ、そういうヤツを友達にしたいかと考えると難しいところである。
本社は福岡市にあるため、地元志向の強いヤング向きな企業だが、会社は全国展開しており、同社に就職できたからといって地元にいられるわけではないので安心ではない。
【 総合メディカルの本社が入居するビル 】
■ 人気企業in九州 11
10位にスターフライヤー(8.8%)。本社は北九州市にある日本の航空会社であり、JAL、ANAと同じく上場企業でもある。日本の航空会社はLCCとJALやANAとだけと思ってはいけない。
なんとなくスカイマーク(8.8%)とかぶるが、同社とはまったく関係ない。
就航前後は黒い機体で話題を集めていたが、話題も10年たてば賞味期限切れで、新たな話題がほしいところだ。アウトサイダーはぜひ、九州に飛行機でやってくる機会があるならば福岡市の福岡空港(FUK)ではなく、同社がハブ空港とする北九州空港(KKJ)の利用も検討してほしい。
■ 人気企業in九州 12
10位以下はナショナルとリージョナルの中間ぐらいの企業がランクインしている。
広 グローバル > ナショナル > リージョナル 狭
ヨソの地方も大方似たようなもので、九州をフランチャイズとするローカライズド(LCD)でも知っているヨソの地方企業ということぐらいだから、それぞれの地元で地元著名企業ということだろう。
九州:福岡 佐賀 長崎 大分 熊本 宮崎 鹿児島
九州の人気企業ということだが、上位30位内の8割近くが福岡に本社を置く企業が占め、九州のブランドを形づくっているといえない面もある。
九州は福岡だけにあらず。
それにしても上位30位内に大分から1社もないのは残念だ。大分の大企業として麦焼酎のいいちこを製造する三和酒類(非公開)、ファミリーレストランのジョイフル(4.8%)などがある。地味なところで西日本電線(非公開)というのもあり、もちろん大分にはこれら3社以外にも大企業は存在する。
【 ジョイフル 】
■ 人気企業in九州 まとめ(提言とも)
九州のブランドを形成するアイテムとして九州の企業を、ヤングが就職活動に選ぶ企業を切り口に分析した。
ヨソの地方に比べてワールド、ナショナルクラスの企業が少ない分、九州らしい企業があるようにみえた。ただ、意地悪な見方をすると
単に九州に立地しているだけのこと
ともいえる。それをローカリティーの発揮とみるか、内弁慶とみるかは大いに意見が分かれることだろう。
ヤングはハナがきくし、それ以上に未来がある(未来しかない)。企業の中に身を置いて仕事を通じて九州を形作っていくわけでもある。
2016年度、九州からJR九州をはじめとして計5社が新規上場した。そのなかにはとんこつラーメン店を運営する一風堂(2.7%)があり、九州のイメージあふれる企業がランクインしている。とんこつラーメンの会社が上場とは、これぞローカリティ―精神の発揮では? これら企業が市場から調達した資金は約4,200億円であり、九州にこれだけの資金が入ってきた(*1)。
この調達した資金の多くはJR九州に流れたようだが、こういった形でも九州にカネが流れてくるのはうれしいものだ。
このカネのいくらかは九州のブランドを形作っていくカネであろうことを期待して、このリサーチを終える。関係ないことかもしれないが、優秀な人こそ九州内の企業に就職してほしい。
*1 日本経済新聞 20170302
【注意】
地図はグーグルより加工
価格・数量などは公開当時のもの
下手上手関係なく画像はローカライズド(LCD)
現地に赴く場合は、公式情報を確認されてから行くように
ここまでのおつきあいに感謝する。
なお、ここで紹介したことはすでに過去の情報となっていることを申し伝えておく。
マチとの遭遇
#オールラウンド九州(ARQ)
別名なんでもアリ、それが九州
製作:ローカライズド(LCD)
■ メンバー
#1 風戸ケイキ(リサーチ)
#2 ワリアイト・リョウ(リサーチ)
#3 タシロ(プレス)
旅とカットソーシリーズ 2018
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