小値賀 離島 旅にもイノベーションを求める人へ
小値賀の良さは訪れてみないとわかりません。この際、離島の経済活動については目をつむりましょう。
【 歓迎してくれています。小値賀町 】
小値賀/おぢか
20160401現在
制作:ローカライズド(LCD)
小値賀はここに
■ 小値賀の知名度
グーグルの検索では「小値賀」は約41.7万件のヒットがあります。ちなみに「東京」は約3.6億件でした(*1)。
ヒット数は少ないもののウィキペディアには「小値賀町」と「小値賀島」で記載があります。
このところ、小値賀は古民家ステイや民泊、2015年の世界遺産登録への国内推薦候補にあげられたことなどでは少しは知られるようになりました。
しかし、世界遺産登録となることはなく、翌年は違う場所が世界遺産登録となったので人の記憶からは消されたようです。
一時期、話題だった古民家ステイも少々"賞味期限”が切れてきており、次なる話題がほしいところです。
*1 ともに2015年12月29日調べ
■ 世界遺産/国立公園
観光地として小値賀はワールドクラスのお墨付きはまだ得られていませんが、ナショナルクラスのお墨付きはすでに得られています。
小値賀町は西海国立公園に指定されており、町内面積のうちの73.6%がその保護区域です。
小値賀は火山活動によってできた島です。海べりの草原といった自然景観に目がうばわれます。牛が放牧されており、牛の向こうには青い海や白い雲が広がります。
冬には風の強さといった離島ならではの風圧とあわせて"寒さ”も体感できます。
とくに真冬、風が吹きすさぶなか遮蔽物のない海べりの草原でこの自然を画像におさめるには、指はかじかみ、吹き飛ばされそうな風の強さで画像撮影は困難なことになるでしょう。
【 小値賀ってこんなところ 】
■ WANTED ただしU-49
小値賀では年齢で議員報酬に差がつけられます。2016年4月の統一地方選挙以降、当選した満50歳以下の町議にかぎって、月額の議員報酬が18万円から30万円に引き上げられます。
- 第10回マニフェスト大賞:優秀シチズンシップ推進賞
- 受賞者:長崎県小値賀町議会
地元では若い世代に政治にかかわってほしいという願いからはじめた取組みです。
同議会では定期的に開催している「子ども議会」があり、これらの取組みが評価されてマニフェスト大賞実行委員会より同賞が贈られました。
【 納島 】
■ 加工場アリ
小値賀は離島だけあって海産物が豊富です。しかし、海産物が豊富でもその加工品が豊富かというと別な話です。
海産物の現場では6次産業化がさかんに言われていますが、6次産業化が可能となるのは、製造できる加工場があることです。
小値賀の場合、その加工場がありません。「ない」といえばウソになりますが、町工場程度の加工場はチラホラあります。
なにも助成金を活用した立派な工場が加工場だけではありません。
地元の名産の一つにかつお生節があります。小値賀島近海で水揚げされたハガツオを3枚におろして熱湯で茹で、島の山林で切り出した木々でいぶします。
すべて手作業であり、材料も地元ながらエネルギーも地元産です。カツオ生節として真空パックにされて島内で販売されています。
■ 大手よりも先駆けて
古民家宿泊ビジネスに大手企業が参入してきました(*1)。
小値賀は古民家宿泊ビジネスを6年前からはじめており、大手企業よりも先駆けており、古民家ステイのハシリでもありました。大手企業の1泊単価は5万円前後と高級路線ですが、小値賀の古民家も大手企業と同じく高級路線でした。
日本の西の端で大手に先駆けたサービスをやっていましたが、当たっていたか?となるとなんともいえません。どちらかといえば「失敗」とみる向きもあります。
後発の大手企業にノウハウ(ただし失敗の)を提供して、多少でも投資を回収あるいはノウハウの共有による失敗の回避という考えもあります。
いっそのこと、古民家を売却してしまうのもいいかもしれませんが、買い手がつかないとなると小値賀の魅力のなさを知らしめることになり、マチのブランド力の低下となります。
ここは古民家とおなじくひっそりとしていたほうがよろしいかもしれません。
*1 日本経済新聞 20161027 13面
■ 小値賀観光まちづくり公社解散
小値賀はグリーンツーリズムなどの取組みで評価されていました。
その中核となった組織が小値賀観光まちづくり公社でした。多くの評価をいただくも、実際それほどのことはなく、同公社も2016年4月に解散しています。
これらの取組みの第一人者であった高砂樹史氏も島を追われるように出て行きました。
当時、同公社の専務であった氏は「平成27年までに島に雇用を50人つくりたい」(*1)と息巻いていましたが、自らの雇用を守れませんでした。
氏のフェイスブックによると離職は「一身上の都合」としており、現在、長野県茅野市の観光まちづくり推進室長に転職されたようです。
島の環境に惚れこんで小値賀島に移住した氏も高原の住人となってしまいました。
地域活性化にかかわる人物は土地への適応力が十分でないといけないようです。この移り変わりの早さが地元ネイティブに受けいられるかどうかは、町の人たち次第です。
*1 観光庁 地域いきいき観光まちづくり2001
マチとの遭遇
マニアック観光#小値賀への接近
その13 終了
注意 情報は2016年12月1日現在のものです。
現地の状況は刻々と変化しています。
現地に行って確認することをおすすめします。
制作 : ローカライズド(LCD)
リサーチ : 風戸ケイキ/ワリアイト・リョウ
「マチとの遭遇#小値賀編 マニアック観光#小値賀への接近」
制作委員会作品
Language:Japanese text only
Not Rated
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