■ 2015年7月のある金曜日の夕方 五十番にて 6
男性二人組が入店。美人一人客出る。男性率高い店となった。着席するには体をカニ歩きでないとたどり着けない。極端なデブは入店できても着席は不可能な恐れアリ。
レジはなく、奥さんが支払いを担当している。男二人はガスコンロの下の冷蔵庫から餃子を出しては、モクモクと焼く。6台の並列のガスコンロが休むことない。
マチとの遭遇 九州編
久留米/くるめ
20160101現在
■ ゴム 14
JR久留米駅の西口側には、車道に面した工場から生産したタイヤが運ばれているのをみかけます。
敷地内にはタイヤが並び、あたりは工場と住宅が混在しており、作業服を身にまとった働く人を間近にみることができます。
JR久留米駅の東口を出て数分歩くと、地元ゴム3社のうちの2社アサヒコーポレーションとブリヂストンの工場があります。
工場の殺伐とした雰囲気はなく、ケヤキが植えられ、歩くにはいい街並みです。ケヤキは1955年にブリヂストンが創立25周年を記念して植えたもので、その通りはブリヂストン通りと命名されています。
工場周辺は工場で働く人の駐車場となっており、車の多さは働く人の多さを示します。
久留米市内の300人以上の製造業の事業所は5社あり、そのうち3社はゴム製造業です。その3社はアサヒコーポレーション、ブリヂストン、これら工場から歩いて20分ほどのところにムーンスターがあります。
【 ブリヂストン通り 】
■ サケ 11
「正常な状態に戻っている」――――― 城島にある蔵元のある社長はおっしゃいます。匿名を条件に話していただけました。
日本酒の消費量の減少は現実ですが、同氏はそれはむしろサケというものづくりや文化の点からすると、ウエルカムとのことです。
いままで消費が伸びていたことが普通でなく、何も考えずに飲まれていたため大事にされず当たり前の存在となりました。
そこに日本酒を含めた日本のアルコール市場にビールにウィスキー、ワイン、焼酎など、消費者のアルコールの選択肢は広がりました。追いやられたのが日本酒です。
一升瓶
プロ野球中継
職場での"飲み会”は少なくなり、毎晩7時以降お父さんがプロ野球をテレビでみながら酒を飲む"昭和な”ご家庭も減り、一升瓶で買わなければならない奥様方からは嫌がれ、ライフスタイルにそぐわない日本酒は、お茶の間から追いやられていきます。
そもそも一人世帯の多い今の世の中に"お茶の間”があるといえるかどうかも疑問です。
大量に飲んでくれていた"上客”たちは、会社を退職し、高齢化ともに酒量は減り、そのうちに存在はなくなり、その人からの購入は永遠になくなります。
「余裕がないとダメだね」
日本酒は心にもフトコロにも余裕がなければ、飲めないし、飲んでもおいしくないと言います。
日本人の働く人の収入はピーク時より1割以上減り、働く人の4割近くは非正規雇用であると、日本に総体的に「余裕」というものがなくなりました。日本酒の消費が減るのは当然という見解なのです。
一方、価値のわかる人に飲まれるようになる分、つくりがいはあるとのことです。市場は暗くてもウチは暗いわけではないといいます。
実際、「売れている」と、強がりではなく当たり前の姿勢で話していただけました。
■ 久留米大学病院 2
同大学医学部は、がんワクチンの最先端をいく研究で名を馳せており、同大学病院には国内初のがんワクチン外来が置かれています。
外来があるからといっても通院しやすいわけではなく、ワクチン投与1回につき約10万円、別途検査などに10万円、ワクチンは1回投与すれば終わりというものではなく、その後も投与をつづけなければならず、おのずと医療費がかさんでいき、やはり医療の町は医療費も高い町となります。
地元焼きとりのアイテムであるダルム、ハツ、センポコなどは医学用語でもあります。
医学用語がやきとりのメニューとなったのは、地元久留米大学の医学部の影響が大きいようです。
【 久留米大学病院 】
■ 地元ビジネスシーン 筑邦銀行 2
筑邦銀行の所属する地方銀行協会(全64行)のなかでは、預金量のランキングではブービー、自己資本比率では最下位です。
経営成績はよろしくないのですが、行員の平均年収ランキングでは56位と上昇します(平成23年3月期)。
502.0万円(36.9歳)
筑邦銀行の平均年収
お金を集めてそれを貸す銀行には、貸出先が必要です。
筑邦銀行も貸出先を求めて地元久留米以外にも支店を出しますが、同じ福岡県内と2013年3月に東京支店を新設する以外では地元経済圏の範囲を超えてまでは手を広げません。
内にこもる傾向は営業方針だけではありません。海外支店もなく、会長や頭取は創業者一族の出身者が占め、営業も経営どちらにもドメスティックな金融機関です。
■ 地元ビジネスシーン 筑邦銀行 3
銀行はお金で地域貢献したいものです。同行は2014年に地域経済の成長分野に投融資する総額30億円のファンド「ちくぎん地域活性化ファンド」を組成しました。
- 出資:ちくぎん地域活性化投資事業有限責任組合
総額3億円 - 融資:ちくぎん地域活性化融資
総額27億円
30億円のファンドの内訳は、出資3億円、融資27億円となっており、ファンドといっても銀行だけあって手堅く貸し付けがメインです。
やっぱり銀行? 出資額 < 融資額
リスクの大きい出資を極力おさえ、ファンドに名を借りた融資アイテムのようにもみえます。
ただし、同ファンドでの融資の金利は「当行所定予定率より優遇した金利」となって少々お得のようです。
出資、融資の対象はバイオ、事業継承支援、地域資源と幅広く、"地域資源”も対象 のためなんでもアリのようです。
実際に投資はすすんでおらず、2015年9月の段階で、ちくぎん地域活性化投資事業有限責任組合の投資は2本、ちくぎん活性化融資は1本実行されたのみです。
ファンド以外でも運用という点でも上手とはいえず、同行の資金運用利回りは資金調達原価を下回っており、しかも2012年度から3期連続となっています(*2)。
*1 東洋経済新報社:会社四季報 *2 筑邦銀行:決算短信
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