■ 2015年7月のある金曜日の夕方 五十番にて 5
17時47分、2人前後半の餃子が来る。焼酎お湯割りもすでにあけてしまったので、もう1杯オーダー。
奥さん、二人の間を縫うようにしてポットに手をかけ、一升瓶をかかえてコップに焼酎をそそぐ。このせまい店内ではかなりの荒業。作業環境からすると四号瓶のほうがベターであることを提案したい。
マチとの遭遇 九州編
久留米/くるめ
20160101現在
■ 九州ちくご元気計画 4
九州ちくご元気計画は、一人の敏腕プロデューサーによる厚生労働省の事業といえます。
事業名に「ちくご」とあるように、久留米だけでなく久留米を含む筑後地域をまきこんだ広域的な事業です。これら地域は同省の3つの事業に採択され、2009年8月から2015年3月までつづいた事業でした。
事業の目的は地域の雇用創造です。過疎化や高齢化もすすむ同地域にはめぼしい働き口はなく、地域の競争力は低下しています。若者は仕事を求めて都会に出ていき、地域の"げんき”はなくなる一方です。
働き口のビジネスが不調であれば、地域の働き口も縮小します。
そこで、働き口となる会社(そのほとんどは個人事業)の商品に磨きをかけ、マーケティングをしかけ、セールスに出向くといったビジネスだったら当たり前の行動を、地域の事業者と一緒になって取り組むことで、会社や地域の活力を生み出すのです。
地元や自社の製品が売れなければ、人を雇うことはできません。
■ ゴム 12
久留米以外のこれらの町はゴムの町を標榜することなく、ゴムの工場があってその出荷額が大きい町というだけのことです。
久留米はいまなお同地で創業したゴムの会社が存在しており、世界的タイヤメーカーとなったブリヂストンの創業の地というストーリーがあるだけにゴムの町といえます。
久留米市 458.7万円
朝倉市 540.2万円
とはいってもプライドだけでは町の経済は引っ張れません。同じゴム製造業でも上位3社とは久留米市をくらべても粗付加価値率は低く、従業者一人あたりの製造品出荷額や粗付加価値額も小さいものです。
そういったことから従業者一人あたりの現金給与額も低く、同じゴム製造業でも久留米市のとなり町の朝倉市では81.5万円ほど違います(*1)。
*1 経済産業省:工業統計表(平成25年)
■ 地元ビジネスシーン 筑邦銀行 1
地元のビジネス業界は地元の銀行が支えたいところです。久留米市内に本店を置く筑邦銀行は、2012年度から地域密着型金融に取り組んでいます。
同行の地域密着ぶりは、同行への収益優先のきらいがあります。下記の数字は筑邦銀行が、久留米地域から集めたお金と久留米地域へ貸したお金です。( )はその残高に占めるシェアです(*1)。
預金残高 3,299億円(53.5%)
貸出金残高 1,830億円(43.3%)
久留米で集めたお金のうち2割は地元以外に出ており、同行の同時期の預貸率は68.4%、久留米地域への貸出しと預金の比率からすると地元にはシブい、それとも地元にビジネスチャンスがない銀行のようです。
*1 筑邦銀行ディスクロージャー誌(2014年度版)
【 筑邦銀行 本店 】
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